概要
KAITOは、クリプトン・フューチャー・メディアが2006年2月17日に発売した歌声合成ソフトウェア「VOCALOID キャラクター・ボーカル・シリーズ」の男性用音源、およびそのイメージキャラクター。MEIKOに続くクリプトン第2弾で、世界初の日本語対応男性ボーカロイドとされる。ダークブルーの髪と青いマフラーが目印で、ファンからは「兄さん」の愛称で呼ばれている。
性格
クリプトンはKAITOについて年齢・身長・体重といった詳細プロフィールを公式に定めておらず、性格や人となりも明確には設定されていない。声を提供したのは演歌・フォークを得意とする歌手・風雅なおとで、澄んだ伸びやかな歌声が特徴とされる。
性格の解釈が開かれているぶん、楽曲を作るPによって温和な「兄さん」から飄々とした道化役まで幅広い人物像が描かれてきた。ニコニコ動画の投稿文化では、しっかり者かと思えば天然なところもある、という両面的なキャラクター付けが定着している。
能力
VOCALOID技術により、歌詞とメロディを入力するだけで歌声を合成できる。KAITOの音源は低音の厚みから伸びのある高音まで歌い分けられる点が特徴で、演歌・フォークのような歌唱表現にも強い。
2013年発売のVOCALOID3版では、素直な歌声の「Straight」、柔らかい「Soft」、息づかいを強調した「Whisper」、英語歌唱用ライブラリの4種を収録し、より幅広いジャンルの楽曲に対応できるようになった。
活躍
発売当初は思うように売れず、初回出荷は500本ほどに留まる商業的な苦戦を強いられた。転機となったのは2007年の初音ミクの爆発的ヒットで、数少ない男性ボーカロイドとして改めて注目を集め、2007年末から売上が急増、2008年には人気商品の一角を占めるまでになった。
以来、ニコニコ動画やYouTubeに投稿されるボーカロイド楽曲文化の中で、しっとりとした民族調の楽曲から重厚なバラードまで、KAITOならではの持ち味を活かした作品が数多く生まれている。近年はスマートフォン向けリズムゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』にも参加し、新しい世代のファンを獲得している。
エピソード
「兄さん」という愛称は、初音ミクやリン・レンら年少のキャラクターが多いピアプロキャラクターズの中で、落ち着いた雰囲気を持つKAITOにニコニコ動画のユーザーが親しみを込めて付けたもの。公式が命名したわけではないが、今では広く定着している。
アイスクリームを持たせたり食べさせたりする描写も、公式設定ではなくファンの間で広まったイメージで、童謡のカバー動画などをきっかけに定番化した。初音ミクのネギと同じく、ファン発の記号がキャラクター像の一部として根付いた例といえる。