概要
クリスタ・レンズは、諫山創の漫画『進撃の巨人』に登場する女性兵士。第104期訓練兵団の同期からは献身的な人柄を慕われ「女神」とも呼ばれる。実は貴族レイス家の血を引くヒストリア・レイスが名乗る偽名であり、物語が進むにつれて隠されてきた出自と重い運命が明らかになっていく。
性格
金髪碧眼で小柄な体格の少女で、穏やかで謙虚な物腰と何事にも尽くす献身性から、104期訓練兵団の中でも際立って人望が厚い。戦闘の恐怖から嘔吐してしまう仲間を人目もはばからず介抱したり、空腹で倒れたサシャ・ブラウスに自分の食事を分け与えたりと、面倒見の良さは折り紙付きで、とりわけ男子訓練兵からの人気は圧倒的だった。
しかしこの「良い子」の振る舞いは、生い立ちに起因する自己防衛の側面も持つ。深く心を許した相手はほとんどおらず、同期のユミルだけがその作り笑いの裏を見抜きながらも無二の親友であり続けた。エレン・イェーガーもまた、彼女の笑顔がどこか張り付けたようなものであることに気づいていた一人である。
能力
馬術には秀でているものの、体力や近接戦闘の技量そのものは兵士として人並み以下とされる。一方で頭の回転は速く、状況判断や気配りに優れる。第104期訓練兵団の卒業成績では10位に食い込んでいるが、これは彼女自身の実力というより、周囲の巡り合わせによって押し上げられた結果という側面が大きい。
活躍
第104期訓練兵団を10位で卒業した後、トロスト区奪還戦では41班の一員として戦闘に加わる。訓練兵団卒業後は調査兵団に配属され、リヴァイが率いる特別作戦班にも名を連ねた。
物腰の柔らかさから仲間の精神的な支えとなる一方、自身の素性については多くを語らず、周囲との間に見えない一線を引き続けている。やがてウトガルド城での戦いをきっかけに、彼女を取り巻く事態は大きく動き出すことになる。
エピソード
訓練兵団での卒業順位10位は、親友ユミルが選抜試験の裏で他の受験者を意図的に蹴落として調整した結果であることが後に示唆されており、彼女自身の本来の実力は作中でも判然としない。
容姿の特徴として、顔の中央に一房だけ垂れた前髪が挙げられ、小柄な体格とあわせてキャラクターデザイン上のわかりやすい記号になっている。
ネタバレ
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「クリスタ・レンズ」は偽名であり、本名はヒストリア・レイス。ウォール・ローゼ北部を治める貴族ロッド・レイスと、その使用人であったアルマとの間に生まれた庶子である。レイス家は代々「始祖の巨人」を継承してきた壁内の真の王家で、正妻の子である異母姉フリーダをはじめとする5人の子はグリシャ・イェーガーに殺害されており、ヒストリアは一族で唯一残された後継者だった。体面を守るため素性を隠され、放逐同然の形で「クリスタ・レンズ」の名を与えられ訓練兵団に送り込まれていた。
ウトガルド城での戦いで、ロッドに操られた巨人に襲われた際には、ユミルが自ら巨人化して身を挺し彼女を救っている。その後、父ロッドから巨人化してエレンを捕食し、始祖の力を一族の手に取り戻すよう強要されるが、彼女は注射器を投げ捨てて拒絶。「いい子にもならないし神様にもなりたくない、それでも自分なんかいらないと泣いている人がいたら、そんなことないよと伝えに行きたい」と宣言し、父を投げ倒したうえで自らの出自を公表し、女王として戴冠する。
女王となってからは巨人化することなく、孤児や困窮した人々の支援に力を注ぎ、統治の実務の多くを調査兵団に委ねながら「牛飼いの女神様」と慕われるようになる。物語終盤では、パラディ島防衛のため王家の血を引く者が新たな巨人の力を継承するよう提案される場面もあったが、やがて彼女の妊娠が明らかになり、継承は先送りとなった。最終話では、幼なじみと3歳になった娘とともに穏やかなひとときを過ごす姿が描かれ、その時点でも女王の座は退いていない。