概要
「魔法少女まどか☆マギカ」に登場する、白くて耳の長い謎の生物。テレパシーで少女に語りかけ、魔法の使者を名乗って「願いを一つ叶える代わりに魔法少女になってほしい」と契約を持ちかける。愛らしい容姿とは裏腹に、その言動にはどこか胡散臭さが漂う。
性格
誰に対しても親しげに下の名前で呼びかけるが、感情を表に出すことはほとんどなく、常に無表情でロジカルに話す。契約のデメリットは自分から明かさず、尋ねられて初めて説明するなど、営業マンめいた立ち回りをする。明確な嘘はつかないものの都合の悪い情報は黙って伏せるその姿勢は、ファンの間で「契約厨」と揶揄されるほど徹底している。
能力
契約者とはテレパシーで意思疎通し、その魂をソウルジェムへと変換して魔法少女に変身させる力を持つ。契約者同士の通信を中継するほか、穢れの結晶であるグリーフシードを回収・浄化する役目も担う。魔法に触れたことのない人間には、その姿も声もまったく感知できない。
活躍
第1話、鹿目まどかの夢の中に現れて以来、彼女への勧誘をあきらめずに続ける一方、美樹さやかや巴マミ、佐倉杏子とも接触し、契約や日々の後方支援に関わっていく。人間の感情や倫理観をまるで理解しない発言や振る舞いが端々に見られ、次第に暁美ほむらから強い不信と敵意を向けられるようになる。
エピソード
名前の「キュゥべえ」は、あえて発音しづらい語感で違和感を醸し出す狙いで付けられたとされ、脚本の虚淵玄はクトゥルフ神話の神々になぞらえて語っている。口を動かさずテレパシーで話す演出は、動物が人語を話す不自然さを避けるための監督・新房昭之の発案だったが、結果としてキャラクターの不気味さを一層際立たせることになった。決め台詞「僕と契約して、魔法少女になってよ!」は2011年度ネット流行語大賞で銅賞を受賞し、ニュータイプアニメアワード2011ではマスコットキャラクター部門を受賞している。
ネタバレ
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キュゥべえの正体は、「インキュベーター」と呼ばれる地球外生命体の一員である。個体という概念を持たず種族全体で一つの意識を共有する集合知性体で、作中に現れる姿は母星の本体が操る端末に過ぎない。彼らの目的は、増大し続ける宇宙のエントロピー――やがて訪れる熱的死を遅らせるため、思春期の少女が幸福から絶望へ転じる瞬間に生じる莫大な感情エネルギーを回収することにある。契約によって少女の魂はソウルジェムへ移され、肉体は魂を失っても機能し続ける「抜け殻」となる。そしてソウルジェムが穢れきったとき、少女は絶望とともに魔女へと姿を変え、そこで解放されるエネルギーこそがインキュベーターの目的そのものだった。
キュゥべえにとって、少女たちは感情エネルギーを生み出すための家畜も同然であり、その扱いに良心の呵責はない。鹿目まどかを執拗に勧誘し続けた末、まどかは「生まれる前も含めて、すべての魔女を消し去ってほしい」という願いを叶え、自らは概念的な存在(円環の理)となって世界の法則そのものを書き換える。この祈りによって世界から「魔女」という存在自体が消滅し、キュゥべえたちインキュベーターの目論見は覆されることになる。劇場版『叛逆の物語』以降の改変された世界では、まどかを取り戻そうとする暁美ほむらによって、インキュベーターの側が支配される立場へと転じていく。