キルラキル

鮮血

せんけつ

血を糧に戦う、意志を宿した生きたセーラー服

一着の水兵服が、少女の血を吸って目を醒ます。布は声を持ち、名を得て、少女とともに天を駆けた。

鮮血のフィギュア
鮮血のカバー画像

概要

鮮血(センケツ)は、アニメ『キルラキル』に登場する、意志を持つ生きたセーラー服。生命戦維だけで織られた最上位の衣神衣(カムイ)であり、主人公・纏流子の父が娘のために遺した一着である。流子の血を吸うことで戦闘形態へ変身し、彼女にだけ届く低い男声で助言する相棒として、ともに戦う。

鮮血のリラックスカット

性格

普段は冷静沈着で分析的な存在。戦いの最中でも落ち着いて状況を読み、攻撃の手立てを提案したり、流子のエネルギー切れが近いと警告したりと、無鉄砲な少女を支える参謀のように振る舞う。

一方で、目覚めた直後は活動を保つために血を狂おしく求める獰猛な一面をのぞかせた。これは流子が日常的に身につけるようになると、次第に落ち着いていく。

一着の衣服でありながら、感傷的になれば涙を流し、着てもらえないと孤独を感じるなど、多分に人間的で、時に父親のような情愛すら見せる。手洗いは痛くて苦手だが、アイロン掛けは心地よいらしく好んでいる。

鮮血のシリアスカット

能力

神衣として、血を与えられると露出度の高い戦闘装甲へ姿を変え、着用者に絶大な力をもたらす。当初は流子が肌の露出を恥じたために力を出し切れず、血の消耗も激しかったが、流子が姿を受け入れて生命戦維シンクロ(完全同期)を果たすと、わずかな血で本来の力を解き放てるようになった。血は隻鉄甲(せきてっこう)という手袋で一定量を採って与える。

戦いのなかで複数の変身形態を編み出していく。全身から刃を突き出す鮮血閃刃(せんじん)、下半身をジェット推進に、目の意匠を翼に変えて空を駆ける鮮血疾風(しっぷう)、その両者を併せた鮮血刃疾風などがある。ほかに、相手の音波攻撃を無効化して跳ね返す鮮血無拍子という技も持つ。

着用者を離れても単独で動き、行動できる点も特異である。脚が無いためぎこちなく跳ねて進むが、意識を失った流子を長い距離引きずるほどの力を持ち、『口』のような部分で敵に噛みつくこともできる。

活躍

纏家の跡地の地下で長く眠っていた鮮血は、落ちてきた流子の血を浴びて覚醒する。しかし自分の能力と製作者のこと以外の記憶を失っており、流子は自分を目覚めさせた血にちなんで『鮮血』と名付けた。以後、父の仇を追う流子とともに、鬼龍院皐月が頂点に立つ本能字学園での戦いに身を投じていく。

序盤は流子が姿を恥じて力を出せず苦戦するが、やがて安定して力を引き出せるようになり、皐月の神衣純潔(ジュンケツ)と互角に渡り合うまでに至る。

第5話では、鮮血を狙う敵の襲撃を機に、流子との絆が大きく深まる。鮮血を『ただの服』と見ていた流子は、彼を友であり相棒だと認めるようになる。一度は破壊されて奪われるものの、流子が奪還して修復し、二人の結びつきはいっそう強くなっていく。

エピソード

作中で衣服が力を持つのは、それが生命戦維(せいめいせんい)という、意志を宿し人体の進化を促してきた特殊な繊維でできているため。鮮血のように生命戦維だけで織られた衣が神衣(カムイ)で、生命戦維を織り込んだ量産型の極制服(ごくせいふく)よりも格段に強い。なお作中では『繊維』ではなく戦いの字を当て、『生命戦維』と表記する。

鮮血がほかの生命戦維の衣と決定的に違うのは、製作者が娘・流子のDNAを織り込んだこと。だからこそ声が届き、正しく着られるのは流子だけで、他人の目には流子が独り言を言っているように映る。

胸にある片目のような赤い意匠と、着ていないときに口のように見える意匠は、鮮血が『生きている』ことを示すデザインである。

ネタバレ

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物語の核心では、生命戦維と戦う『武器』として作られたのは鮮血ではなく、流子自身だったと明かされる。流子は生命戦維と融合した存在で、純粋な人間ではない。鮮血もまた流子のDNAを宿す生命戦維と人間のハイブリッドであり、そのため——着ていない状態であれば——敵羅暁が全生命戦維を絶対服従させる究極の神衣神羅纐纈(しんらこうけつ)の支配すら、はねのけることができた。姉である鬼龍院皐月が鮮血の声を聞けたことが、その事実を鮮血自身に気づかせる。

最終決戦で流子は、その場の全員の極制服と皐月の純潔までも鮮血に吸収させ、究極形態鮮血更衣(せんけつきさらぎ)へと至らせる。全生命戦維を服従させる羅暁の力とは正反対の、流子と鮮血の絆が生んだ進化だった。鮮血は羅暁の攻撃を受け続けて吸収能力を極限まで高め、ついに神羅纐纈そのものを取り込む。

こうして地球は生命戦維から解放されるが、神羅纐纈を吸収した負荷で鮮血は崩壊を始める。大気圏突入の熱から流子を守るため、鮮血は自ら彼女の体を離れ、『楽しかったぞ、お前に会えて』『これからは好きな服を着ろ』と別れを告げながら燃え尽き、灰と数本の生命戦維になって消えた。