概要
多々良小傘は、拾い手のないまま風雨にさらされ続けた一本の忘れ傘が付喪神となった唐傘お化け。東方Project第12弾『東方星蓮船 〜 Undefined Fantastic Object.』でStage2のボスとして初登場した。持てる力は「人間を驚かす程度の能力」で、人を驚かせること自体を妖怪としての生きがいにしている。
性格
気さくで人懐っこく、素直な悪戯好き。驚かした相手に嫌な顔をされても引きずらず、次の日には別の脅かし方を試すような前向きな努力家でもある。行動の根っこには、誰にも拾われず捨てられたという思い込みからくる鬱憤があり、人間を驚かせて見返してやろうという反骨心が原動力になっている。
その一方で、道具として誰かの役に立ちたいという素直な気持ちも失っておらず、裏表のない善良さは他の妖怪の中でも貴重だと評される。無視されて落ち込むと怪談話を勉強し直すなど、地道な努力を惜しまない一面もある。
能力
公式の持ち能力は「人間を驚かす程度の能力」。傘をかざして風雨を操り、奇抜な出で立ちで人前に飛び出して驚かせようとするが、この能力自体に危険性はほとんどなく、成功率も高くない。幻想郷の住民はすっかり彼女の傘に慣れてしまい、驚くどころか子供に懐かれてしまうことも多い。自称「心を食べる妖怪」で、驚いてもらえないと空腹を感じるのだという。
もう一つの意外な特技が鍛冶で、人間の職人を数倍上回る腕前とされる。姓の「多々良」は鍛冶で使う大型のふいご「鑪」に由来し、一つ目一本足の妖怪「一本だたら」にあやかった名だという説が有力。この一本だたらは、片足で鞴を踏み続けて片脚が萎え、片目で炉を見続けて視力を落とした鍛冶師の姿を伝える妖怪で、鍛冶の神・天目一箇神が零落した姿とも言われる。小傘の左目だけを強調したオッドアイの意匠も、この一つ目の妖怪像を踏まえたものとされる。
活躍
『東方星蓮船』では、聖輦船を巡る騒動の最中、幻想郷を訪れた主人公たちの行く手を阻むStage2の中ボス・ボスとして立ちはだかる。
騒動の後は命蓮寺の墓地に居ついた。正式に入門したわけではないが、墓地は参拝客が多く人間を驚かしやすいためだという。続く『東方神霊廟』のStage3では、そこへ現れた宮古芳香に弾幕勝負を挑むものの歯が立たず、空を飛ぶ人間に助けを求める一幕もあった。
エピソード
漫画『東方茨歌仙』では、針供養の日に博麗神社を訪れ、持ち前の鍛冶の腕で博麗霊夢の妖怪退治用の針を新調する手伝いをしている。人間を驚かすことにかけては空回りしがちな小傘だが、道具としての本領はこうした場面でこそ発揮される。
毎年2月8日には、驚かす能力が普段より強くなるという設定もある。この日は一つ目一本足の妖怪が徘徊すると伝わる事八日にあたり、彼女の妖怪としての性質が伝承上の唐傘お化けや一本だたらと地続きであることを示す一例になっている。