古典ギリシャの建築と精神文化が結晶した聖なる丘

アテネのアクロポリス

Acropolis, Athens

白亜の神殿群がそびえる岩山には、民主政と哲学、演劇を育てた古代アテネの記憶が凝縮されている。

アテネのアクロポリスのミニチュア

概要

アテネを見下ろす岩山に、パルテノン神殿をはじめとする古典期ギリシャの建築群が集まる。ペルシア戦争後の復興と民主政の発展、哲学・芸術・演劇の繁栄を物語り、ギリシャ文明の興隆を象徴する丘として世界文化に影響を与えた。

  • ギリシャ
  • 文化遺産
  • 1987年登録
  • 検定3級
  • 検定2級

見どころ

青空の下に立つアテネのパルテノン神殿とドーリア式列柱

古典建築の頂点、パルテノン神殿

ペルシア戦争後、勝利を記念して約10年をかけて再建されたアテナ女神の神殿。イクティノスらの設計とフェイディアスの芸術監督により、古典ギリシャ建築を代表する均整美が結実した。

エレクテイオンのカリアティード像柱とイオニア式神殿

エレクテイオンとカリアティード

複雑な地形に合わせたエレクテイオンと少女像の柱で知られるカリアティード。近くのプロピュライア、アテナ・ニケ神殿とともに、丘全体が神々への壮大な奉献空間だったことを伝える。

地理

ギリシャの首都アテネ中心部にそびえる岩山で、市街を見渡す天然の要害である。紀元前2000年頃から人が住み、紀元前1500年頃には王宮が置かれて都市発展の核となった。丘の名も都市名も、オリンポス十二神の一柱で戦いと知恵を司る女神アテナに由来する。

頂部にはパルテノン神殿、エレクテイオン、正門プロピュライア、アテナ・ニケ神殿などが集まり、南斜面にはディオニソス劇場がある。建築、彫刻、都市景観が一体となった古典期ギリシャの傑作であり、パルテノン神殿をかたどった図案はユネスコのシンボルマークにも用いられている。

アテネのアクロポリスの風景

歴史

紀元前500年頃にアケメネス朝ペルシアとのペルシア戦争が始まり、戦火でアクロポリスは破壊された。ギリシャ諸ポリスは再攻に備えて紀元前478年にデロス同盟を結び、勝利に大きく貢献したアテネは盟主として勢力を伸ばした。

紀元前5世紀後半、民主政のもとで指導者ペリクレスが丘の再建を構想し、彫刻家フェイディアスの監督下で芸術家たちが計画を実現した。イクティノスらのパルテノン神殿、ムネシクレス設計のプロピュライア、エレクテイオン、アテナ・ニケ神殿が築かれ、パルテノン神殿はペルシア戦争の勝利を祝って約10年で完成した。

繁栄したアテネにはソクラテス、プラトン、アリストテレスらが集まり、哲学と芸術が発展した。ディオニソス劇場ではアイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデスという三大悲劇詩人の作品が上演され、後世の思想・芸術・演劇に大きな影響を残した。こうした建築と精神文化を一体で伝える遺産として、1987年に登録基準(i)(ii)(iii)(iv)(vi)で世界遺産に登録された。

参考

  • UNESCOAcropolis, Athens
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)
  • 書籍『きほんを学ぶ世界遺産100〈第4版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

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