概要
メキシコ中西部のテキーラ地方に広がる、リュウゼツラン畑、テキーラ酒の古式蒸留施設、先住民テウチトラン文化の遺跡を一体として評価した文化遺産です。二千年以上続く土地利用と、18世紀以降の蒸留産業がつくった文化的景観として、2006年に登録されました。
見どころ
青緑のリュウゼツラン畑
尖った葉を広げるリュウゼツランが丘陵を幾何学的に覆います。二千年以上続く栽培の歴史を、現在も営まれる土地利用として実感できる景観です。
古式蒸留所とグアチモントネス遺跡
18世紀以来の蒸留施設と、200〜900年頃に栄えたテウチトラン文化の円形遺構が同じ地域に残ります。先住民文化と近代産業が折り重なる点が見どころです。
地理
遺産はメキシコ中西部のテキーラ地方にあり、規則的に植えられた青緑色のリュウゼツランが丘陵を覆います。畑の景観の中にテキーラ村の蒸留施設と先住民遺跡が共存し、農業・集落・産業がひと続きの空間を形づくっています。
人間が自然とともにつくり上げた景観を文化的景観と呼び、文化遺産に分類します。この概念は1992年に採択されました。本遺産は、自然環境への対応の中で社会・経済・文化が進化し、現在も発展を続ける土地利用の姿を見せます。
歴史
この地域では二千年以上前から先住民がリュウゼツランを栽培し、発酵飲料や織物の原料として利用してきました。西暦200〜900年頃にはテウチトラン文化が発展し、現在のグアチモントネス遺跡などを残しました。
18世紀になるとテキーラ酒の蒸留施設が建設され、古くからの栽培景観に産業施設が加わりました。2006年、文化・技術の交流を示す基準(ii)、産業景観の顕著な見本である基準(iv)、伝統的土地利用を示す基準(v)、生きた伝統との結びつきを示す基準(vi)によって世界遺産に登録されました。登録基準(i)〜(vi)のいずれかが認められた遺産は文化遺産に分類されます。基準(vi)は他の基準との併用が望ましいとされ、本遺産でも複数基準と組み合わせて評価されています。
