獅子の岩に築かれた、カッサパ1世の空中都市

シーギリヤの古代都市

Ancient City of Sigiriya

密林からそびえる獅子の岩に、王の栄光と孤独、そして古代スリランカの色彩が刻まれている。

シーギリヤの古代都市のミニチュア

概要

スリランカ中部のシーギリヤ・ロックに、5世紀のカッサパ1世が築いた宮殿・城塞都市。岩上の遺構、獅子の門、シーギリヤ・レディー、水の庭園が、王権と芸術、造園・水利技術の到達点を伝える。

  • スリランカ
  • 文化遺産
  • 1982年登録
  • 検定2級

見どころ

シーギリヤ・ロックに残る巨大な獅子の足と登り階段

岩上の都へ導く獅子の門ししのもん

北側の主入口は、かつて巨大な石造ライオンの姿をとっていた。上半身は失われたが、階段を挟む二つの大きな足先が残り、「獅子の山」の名を実感させる。

岩壁に残る色鮮やかなシーギリヤ・レディーのフレスコ画

岩壁に浮かぶシーギリヤ・レディー

岩山西壁のくぼみに残る、色鮮やかな天女像のフレスコ画。かつて西壁のほぼ全面を飾ったとされ、現在は女性像18点が古代都市の高い芸術水準を伝える。

地理

スリランカ中部の森林地帯に、周囲の平野から切り立つシーギリヤ・ロックがそびえる。シーギリヤは「獅子の山」を意味し、花崗岩峰は高さ約180~200m。都市遺跡は岩山の頂上だけでなく、急斜面、岩壁、山麓の庭園と市街地跡までを一体として構成する。

山麓には人工池を左右対称に配した水の庭園が広がり、水路や貯水施設を含む高度な造園・水利技術を伝える。北側の主入口は巨大な石造ライオンの姿に設計され、現在は上半身を失ったものの、階段を挟む大きな足先が残る。急峻な岩を都市へ組み込み、頂上と地上を結んだ空間構成そのものが見どころである。

シーギリヤの古代都市の風景

歴史

5世紀、シンハラ王国のカッサパ1世(在位477~495年)は、弟モッガッラーナを追放し、父王ダートゥセナを殺害して王位についた。父が計画した未完の城塞を完成させ、岩山の頂に宮殿、庭園、貯水池を備える空中都市を築いて自らの居城とした。しかしモッガッラーナとの争いに敗れて自害し、王都としての繁栄は短く終わった。

城塞はその後、一時期寺院として使用されたが、13世紀頃に放棄されて廃墟となった。岩山西壁のくぼみには、天女たちを描いた色彩豊かなフレスコ画シーギリヤ・レディーが残る。かつて西壁のほぼ全面を飾ったとされる女性像のうち18点が現存する。岩肌には参拝者が残した詩的な落書きもあり、カッサパ1世の盛衰を思わせる表現は、スリランカ最古の文学作品ともいわれる。王権の劇的な物語、絵画、造園、水利、城塞建築が重なる古代都市として、1982年に世界遺産へ登録された。

参考

  • UNESCOAncient City of Sigiriya
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

公開日: 最終更新: