ナイル東岸の神殿と西岸の死者の都が伝える古代エジプト最盛期

古代都市テーベと墓地遺跡

Ancient Thebes with its Necropolis

昇る太陽の岸に神殿、沈む太陽の岸に王墓——大河が生と死を分かつ。

古代都市テーベと墓地遺跡のミニチュア

概要

現在のルクソール周辺に広がる古代都市テーベの遺跡。中王国から新王国にかけて都・宗教中心地として栄え、ナイル東岸のカルナク神殿とルクソール神殿、西岸の王家の谷、王妃の谷、ハトシェプスト女王葬祭殿などが古代エジプト文明の最盛期を物語る。

  • エジプト
  • 文化遺産
  • 1979年登録
  • 検定2級

見どころ

カルナク神殿大列柱室に並ぶ巨大な石柱

カルナク神殿の大列柱室

セティ1世が着工しラムセス2世が完成させた大列柱室には134本の柱が林立する。巨大な柱と浮彫が、アメン神信仰と新王国の国家権力を圧倒的な尺度で示す。

断崖の前に建つハトシェプスト女王葬祭殿

岩山と一体化したハトシェプスト女王葬祭殿

断崖を背に、長い列柱廊と三層のテラスを重ねた西岸の傑作。壁画には女王のプント遠征などが描かれ、王権と葬祭信仰を今に伝える。

地理

カイロから南へ約700km、ナイル川中流域の現在のルクソールに位置する。日が昇る東岸は生者の都市とされ、都の市街と、アメン神を祀るカルナク神殿、ルクソール神殿が置かれた。日が沈む西岸はネクロポリス(死者の都)とされ、砂漠の丘陵に王家の谷、王妃の谷、貴族墓、葬祭殿、集落が広がる。

登録資産は東岸の2大神殿と、西岸の7つの主要神殿・遺跡群からなる三つの区域で構成される。東西両岸を一体として見ることで、都市生活、国家祭祀、王の埋葬、死後世界への信仰が結び付いた古代エジプトの空間構成がわかる。

古代都市テーベと墓地遺跡の風景

歴史

テーベは中王国第11王朝から新王国第18王朝にかけて都が置かれ、アメン神の都市として発展した。第12王朝期にはアメン神を祀るカルナク神殿の建設が始まり、歴代ファラオの増築によって巨大な神殿群となった。新王国時代には帝国の中心として繁栄し、カルナクとルクソールに神殿・宮殿が整備された。

西岸では第18~20王朝の王たちが王家の谷に岩窟墓を築き、ツタンカーメン王墓などが残る。王妃の谷には王妃たちの墓、デイル・エル・バハリには山肌へ段状テラスを重ねたハトシェプスト女王葬祭殿が築かれた。テーベは政治の都が移った後も宗教中心地であり続け、1979年に世界遺産へ登録された。

参考

  • UNESCOAncient Thebes with its Necropolis
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

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