退役兵の植民市から属州都へ発展したイベリア半島のローマ都市

メリダの考古遺跡群

Archaeological Ensemble of Mérida

劇場の列柱、長い石橋、水道橋のアーチが、かつての「スペインのローマ」を描き出します。

メリダの考古遺跡群のミニチュア

概要

スペイン南西部メリダに残る古代ローマ植民市アウグスタ・エメリタの遺跡群です。紀元前25年、アウグストゥスがスペイン戦役後の退役兵の居住地として築き、属州ルシタニアの州都・交通の要衝へ発展しました。劇場、円形闘技場、競技場、橋、水道施設が属州都の姿を伝えます。

  • スペイン
  • 文化遺産
  • 1993年登録
  • 検定2級

見どころ

メリダのローマ劇場の階段式観客席と列柱を備えた舞台壁

5,500人を迎えたローマ劇場

半円形の階段式観客席とコリント式円柱が並ぶ舞台壁がよく残り、属州都の娯楽と公共建築の規模を実感できます。隣接する円形闘技場とあわせて都市の繁栄を物語ります。

高い橋脚と連続アーチが続くメリダのロス・ミラグロス水道橋

水道施設が支えた属州都

ロス・ミラグロス水道橋の高い橋脚と連続アーチは、遠方から市街へ水を導いたローマの給水技術を伝えます。花崗岩と赤煉瓦を組み合わせた構造も見どころです。

地理

メリダはスペイン南西部エストレマドゥーラ州バダホス県、グアディアナ川沿いに位置します。イベリア半島の主要都市を結ぶ陸路と河川交通が交わり、古代には属州ルシタニアを統治する拠点となりました。

遺跡は現代都市の各所に分布し、グアディアナ川の長大な石橋、半円形のローマ劇場、円形闘技場、広大な戦車競技場、水道橋と貯水・配水施設などが、娯楽・交通・給水を備えたローマ属州都の都市基盤を示します。

メリダの考古遺跡群の風景

歴史

紀元前25年、アウグストゥス帝はスペイン戦役の終結後、退役兵の植民市としてアウグスタ・エメリタを建設しました。都市は属州ルシタニアの州都となり、イベリア半島の主要都市を結ぶ交通の要衝として成長しました。

ディオクレティアヌス帝の時代には「スペインのローマ」と呼ばれるほど繁栄しました。帝国期とその後の都市生活を伝える遺構のうち、階段式観客席をもつローマ劇場は最大約5,500人を収容したとされ、隣には円形闘技場が残ります。1993年、消滅したローマ文明の証拠と属州都の顕著な見本として登録基準(iii)(iv)で世界文化遺産に登録されました。

参考

  • UNESCOArchaeological Ensemble of Mérida
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

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