険しい山麓に残るキューバ初期コーヒー・プランテーションの産業景観

キューバ南東部におけるコーヒー農園発祥地の景観

Archaeological Landscape of the First Coffee Plantations in the South-East of Cuba

森に戻りつつある石造遺構と古道が、カリブ海のコーヒー開拓の記憶をつなぐ。

キューバ南東部におけるコーヒー農園発祥地の景観のミニチュア

概要

キューバ南東部、シエラ・マエストラしえら・まえすとら山脈の山麓に残る19世紀のコーヒー農園跡。171の古い農園と道路・橋梁などが、険しい地形で営まれたプランテーションの農業形態と、カリブ海・ラテンアメリカの経済・社会・技術史を伝える。

  • キューバ
  • 文化遺産
  • 2000年登録
  • 検定2級

見どころ

シエラ・マエストラ山麓の森に残る古いコーヒー農園跡

山麓に残る初期コーヒー農園跡

熱帯の森と急斜面のなかに石造建物や農園区画の痕跡が残る。平地ではなく険しい地形に合わせて築かれた、キューバ最初期のコーヒー生産景観を実感できる。

キューバ南東部のコーヒー農園跡を結ぶ古道と石橋

生産と輸出を結んだ道と橋

農園遺構だけでなく、豆を山地から運び出す古い道路と橋梁も重要な構成資産。栽培から輸出までを支えた植民地期のインフラを一続きの景観として見られる。

地理

キューバ南東部のサンティアゴ州とグアンタナモ州、シエラ・マエストラ山脈の山麓に分布する。平坦な大農園ではなく、傾斜が大きく移動も難しい山地を開拓した点に特徴がある。

構成資産には171の古いコーヒー農園跡だけでなく、収穫物を運び輸出するための道路や橋梁などのインフラも含まれる。農園施設と交通網を一体として見ることで、困難な地形に対応した農業・加工・流通の仕組みを読み取れる。

キューバ南東部におけるコーヒー農園発祥地の景観の風景

歴史

スペイン植民地期の19世紀、キューバで最初期のコーヒー農園がこの地域に築かれた。19〜20世紀の植民地社会では、広い土地に単一作物を生産するプランテーションによってコーヒー栽培が行われ、その生産は地域の経済・社会・技術の発展と深く結びついた。

農園の放棄後も、建物跡や農地の区画、道路、橋梁が山地のなかに残った。開拓当時の農業形態をこれほどまとまって伝える場所は世界でも唯一とされ、植民地期の文化的伝統と文明を伝える独特な証拠であることが登録基準(iii)、人類史の代表的段階を示す農業技術と産業景観の顕著な見本であることが(iv)で評価され、2000年に世界遺産となった。

参考

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