アポロンの神託から始まった地中海交易のギリシャ都市

キレーネの考古遺跡

Archaeological Site of Cyrene

泉の聖域と神殿の列柱に、テラ島から渡った人々の千年の都市史が重なる。

キレーネの考古遺跡のミニチュア

概要

リビア北東部に残る古代都市遺跡。アポロンの神託に従い、エーゲ海のテラ島から渡った人々が紀元前630年頃に築いた。アポロン神殿やギリシャ様式の劇場を備え、ローマ化した後も地中海交易の中心・主要都市として365年の地震まで繁栄した。

  • リビア
  • 文化遺産
  • 1982年登録
  • 検定2級

見どころ

キレーネの泉の聖域に残るアポロン神殿の列柱と基壇

泉の聖域とアポロン神殿

都市名の由来となった泉の精霊とアポロン信仰を伝える聖域。風化した列柱と神殿基壇は、紀元前5~前4世紀に整えられたギリシャ都市の宗教的中心を示す。

キレーネの丘陵に残る半円形のギリシャ劇場と周辺の都市遺構

地中海都市を見渡すギリシャ劇場

丘の地形を生かした半円形の客席と舞台が、ヘレニズム世界の都市文化を伝える。周囲にはローマ化した時代までの遺構が重なり、長い都市史を一望できる。

地理

リビア北東部のゲベル・アフダル地区に位置する。丘陵上にはアポロンに捧げられた神殿、泉を伴う聖域、ギリシャ様式の劇場、ローマ時代へ連なる都市遺構が広がる。

エーゲ海と北アフリカを結ぶ地中海世界の一角にあり、地中海貿易の中心として栄えた。ギリシャ人の植民都市からローマ化した主要都市へ変化した、約千年に及ぶ歴史を遺構の重なりからたどれる。

キレーネの考古遺跡の風景

歴史

紀元前630年頃、アポロンの神託を受けたエーゲ海のテラ島(サントリーニ島)の住民が移住し、キレーネを築いた。都市名は、アポロンが愛した泉の精霊に由来する。

紀元前5~前4世紀には、太陽神アポロンに捧げる神殿やギリシャ様式の劇場が建てられた。キレーネはヘレニズム世界の主要都市のひとつとなり、その後ローマ化しても重要な中心地であり続けたが、365年の地震で大きな被害を受けた。遺跡は18世紀以来広く知られている。

1982年に世界文化遺産へ登録された。2016年には、内戦に伴う政情不安定によって保全が脅かされ、危機遺産リストに記載された。

参考

  • UNESCOArchaeological Site of Cyrene
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

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