概要
リビア北東部に残る古代都市遺跡。アポロンの神託に従い、エーゲ海のテラ島から渡った人々が紀元前630年頃に築いた。アポロン神殿やギリシャ様式の劇場を備え、ローマ化した後も地中海交易の中心・主要都市として365年の地震まで繁栄した。
見どころ
泉の聖域とアポロン神殿
都市名の由来となった泉の精霊とアポロン信仰を伝える聖域。風化した列柱と神殿基壇は、紀元前5~前4世紀に整えられたギリシャ都市の宗教的中心を示す。
地中海都市を見渡すギリシャ劇場
丘の地形を生かした半円形の客席と舞台が、ヘレニズム世界の都市文化を伝える。周囲にはローマ化した時代までの遺構が重なり、長い都市史を一望できる。
地理
リビア北東部のゲベル・アフダル地区に位置する。丘陵上にはアポロンに捧げられた神殿、泉を伴う聖域、ギリシャ様式の劇場、ローマ時代へ連なる都市遺構が広がる。
エーゲ海と北アフリカを結ぶ地中海世界の一角にあり、地中海貿易の中心として栄えた。ギリシャ人の植民都市からローマ化した主要都市へ変化した、約千年に及ぶ歴史を遺構の重なりからたどれる。
歴史
紀元前630年頃、アポロンの神託を受けたエーゲ海のテラ島(サントリーニ島)の住民が移住し、キレーネを築いた。都市名は、アポロンが愛した泉の精霊に由来する。
紀元前5~前4世紀には、太陽神アポロンに捧げる神殿やギリシャ様式の劇場が建てられた。キレーネはヘレニズム世界の主要都市のひとつとなり、その後ローマ化しても重要な中心地であり続けたが、365年の地震で大きな被害を受けた。遺跡は18世紀以来広く知られている。
1982年に世界文化遺産へ登録された。2016年には、内戦に伴う政情不安定によって保全が脅かされ、危機遺産リストに記載された。
