概要
リビア北西部の地中海沿岸に残る古代港湾都市。フェニキア人が築いた町はローマの植民都市となり、この地に生まれた皇帝セプティミウス・セウェルスのもとで最盛期を迎えた。凱旋門、劇場、港、市場などが往時の都市機能を伝える。
見どころ
セウェルス帝の凱旋門
この町に生まれたセプティミウス・セウェルス帝の時代を象徴する記念建造物。大きなアーチと精緻な石彫が、帝国屈指の都市へ発展した黄金期を伝える。
劇場から見渡す港湾都市
半円形のローマ劇場に立つと、港、市場、倉庫、商店へ連なる都市の仕組みが見えてくる。記念建築と交易・生活の場が一体となった遺跡の魅力を実感できる。
地理
リビア北西部、ホムス地区の地中海沿岸に位置する。北アフリカにおける商業の中継地として発展した港湾都市で、港を核に市場、倉庫、商店、住宅地区がまとまり、公共建築と生活空間を備えた都市の広がりを遺構から読み取れる。
海上交易に適した沿岸立地と、乾燥した土地に連なる石造建築群が特色である。壮大な記念建造物だけでなく、商品を扱った場所や人々が暮らした地区まで残るため、ローマ帝国の北アフリカ都市を総体として理解できる。
歴史
紀元前10世紀、フェニキア人がこの地に町を築いた。やがてローマの植民都市となり、北アフリカの商業中継地として成長した。
2世紀、この都市で生まれたセプティミウス・セウェルスが、アフリカ属州出身者として初めてローマ皇帝となると、故郷は大規模に拡張・美化された。皇帝の凱旋門やローマ劇場をはじめ、堂々たる公共建築が整えられ、ローマに匹敵すると評される黄金期を迎えた。
1982年に世界遺産へ登録された。2016年には、内戦に伴う政情不安定によって保全が脅かされ、危機遺産リストに記載された。
