概要
モスクワ北東約70kmのセルギエフ・ポサドにある、現在も活動を続けるロシア正教の大修道院です。14世紀の修道士セルギー・ラドネシスキーの聖堂を起源とし、15~18世紀の城塞的な構成、諸聖堂、神学校、鐘楼がロシア正教建築の発展と東欧への影響を伝えます。
見どころ
信仰の核となったトロイツキー聖堂
修道院創設者セルギーの墓所を擁する1422年の聖堂です。白い石造外壁と金色ドームの内部に、アンドレイ・ルブリョフの《聖三位一体》で知られるイコン文化が息づきます。
ウスペンスキー聖堂と大鐘楼
クレムリンの同名聖堂を範としたウスペンスキー聖堂と、1744年完成当時にロシア最高だったバロック鐘楼が、修道院建築の発展を立体的に示します。
地理
大修道院はモスクワの北東約70km、セルギエフ・ポサドの中心に位置します。15~18世紀に発達した白い防御壁と塔が境内を囲み、その内側に聖堂、鐘楼、修道施設、神学校が密集します。縦横の長さがほぼ等しいギリシャ十字形と複数ドームという東方正教会建築の特徴が、軍事的な城塞構成と一体になった稀有な宗教建築群です。
18世紀後半からは修道院を中心とする都市計画によって周辺市街が整備され、ロシアだけでなく東欧の建築にも大きな影響を与えました。
歴史
14世紀、修道士セルギー・ラドネシスキーが建てた小聖堂が大修道院の起源です。1422年にトロイツキー聖堂が建てられ、アンドレイ・ルブリョフの著名なイコン《聖三位一体》はこの修道院の宝として伝わります。
1559年には、モスクワ・クレムリンの同名聖堂にならったウスペンスキー聖堂の建設が始まりました。この主聖堂にはボリス・ゴドゥノフの墓があります。1744年に完成したバロック様式の鐘楼は、当時ロシアで最も高い建物でした。15~18世紀に城塞機能を備えた修道院建築群が整い、1993年に登録基準(ii)(iv)で世界文化遺産に登録されました。
