概要
モーリタニア北西部の大西洋岸に約200km続く岩礁・干潟・浅海の国立公園です。沖合約60kmまで続く遠浅の海で暖流と寒流が出会い、魚類、チチュウカイモンクアザラシ、アオウミガメ、約200万羽の渡り鳥を支えます。
見どころ
約200万羽が集う冬の干潟
ヨーロッパから渡ってきた膨大な数の水鳥が、潮の引いた干潟で一斉に採餌します。砂漠沿岸の浅海が大陸規模の渡りを支える、国立公園を象徴する光景です。
砂漠と豊かな浅海の境界
金色の砂丘と青緑の遠浅の海が接し、魚群、アオウミガメ、海生哺乳類が暮らします。暖流と寒流が出会う海が、厳しい陸上環境とは対照的な生命の密度を生みます。
地理
モーリタニア北西部の大西洋岸に約200km広がり、海岸砂丘、岩礁、沼地、干潟、小島、浅い沿岸水域が連続します。沖合約60kmまで遠浅の海が続き、厳しいサハラの砂漠環境と生物生産性の高い海域が鮮やかな対照をなします。
暖流と寒流の境目にあたるため栄養塩が循環し、多種の魚が育つ海洋食物網が形成されます。冬には広大な沼地と干潟がヨーロッパから飛来する約200万羽の渡り鳥の重要な餌場になります。登録基準(ix)は沿岸・海洋生態系の進化と働き、(x)は渡り鳥の移動経路を含む生息地、チチュウカイモンクアザラシ、アオウミガメ、イルカ類などの多様性を保つ重要性を示します。
歴史
この海岸では、海流、潮汐、風が砂州・浅瀬・干潟をつくり、砂漠と海が接する独特の生態系を発達させてきました。魚群、海鳥、海生哺乳類、ウミガメが結びつく食物網は、季節ごとの渡り鳥の長距離移動とも一体です。地域の漁民はイルカの動きを利用して魚群を寄せる伝統的な漁も行い、人の暮らしは海の周期と深く結びついてきました。
1989年、沿岸・海洋の生態学的過程と、生物多様性の生息域内保全に欠かせない場所であることが評価され、登録基準(ix)(x)で世界遺産となりました。渡りをする種は一地点だけでは守れないため、この広大な越冬地と採餌場を維持することが国際的な移動経路全体の保全につながります。
