ブルー・ホールと多様なサンゴが育む北半球最大の堡礁生態系

ベリーズ・バリア・リーフ自然保護区

Belize Barrier Reef Reserve System

空からのぞく紺碧の円環の周囲で、サンゴ礁とマングローブが海の命を幾重にも守っている。

ベリーズ・バリア・リーフ自然保護区のミニチュア

概要

ベリーズ沖のカリブ海に広がる、北半球最大のサンゴ礁を核とする7つの保護区である。多様な形態のサンゴ、環礁、砂州、マングローブ、沿岸潟、河口域が連続し、アメリカマナティ、ウミガメ、アメリカワニなどの重要な生息地を形成する。深い円形のブルー・ホールは「海の怪物の寝床」とも呼ばれる象徴的景観である。

  • ベリーズ
  • 自然遺産
  • 1996年登録
  • 検定2級

見どころ

浅いカリブ海のサンゴ礁に開く円形のグレート・ブルー・ホール

海に開いた巨大な円、ブルー・ホール

浅いサンゴ礁の海にくっきりと浮かぶ濃紺の円は、この遺産を代表する景観である。「海の怪物の寝床」という呼び名も、底知れない深さを思わせる強烈な色彩の対比から生まれた。

ベリーズのサンゴ礁とマングローブで暮らすマナティとウミガメ

希少な動物を結ぶサンゴ礁とマングローブ

サンゴ礁だけでなく、海草藻場、砂州、マングローブ、沿岸潟がつながることで、アメリカマナティ、ウミガメ、アメリカワニが暮らせる。異なる環境の連続性に注目すると、生態系の豊かさが見えてくる。

地理

中央アメリカのベリーズ東岸、カリブ海沿岸に沿って延びるサンゴ礁保護区である。堡礁の外側と内側には沖合環礁、数百の砂州、ラグーン、河口、マングローブ林が連なり、外洋から浅い沿岸水域まで多様な環境がまとまっている。7つの保護区は、サンゴ礁が成長し変化してきた過程を段階的に示す。

なかでもグレート・ブルー・ホールは、濃紺の円が浅いターコイズ色の海に開く巨大な海中陥没穴である。周囲のサンゴ礁にはさまざまな形態のサンゴが発達し、海草藻場やマングローブはマナティやウミガメの採餌・繁殖を支える。海と陸の境界を含む生態系全体が登録基準(vii)(ix)(x)の価値を構成している。

ベリーズ・バリア・リーフ自然保護区の風景

歴史

1996年、優れた自然美、サンゴ礁の生態学的過程、絶滅が危惧される生物の生息地として世界遺産へ登録された。その後、沿岸開発などによる環境悪化が深刻化し、危機遺産リストに記載された。

保全のため、遺産範囲内での石油開発を禁止するなどの対策が進められた。こうした対応が評価され、危機遺産リストから脱している。登録後の危機と回復は、サンゴ礁が陸上開発や資源利用の影響を受けやすいこと、法的な保護と継続的な管理が不可欠であることを示す。

参考

  • UNESCOBelize Barrier Reef Reserve System
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

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