概要
ベリーズ沖のカリブ海に広がる、北半球最大のサンゴ礁を核とする7つの保護区である。多様な形態のサンゴ、環礁、砂州、マングローブ、沿岸潟、河口域が連続し、アメリカマナティ、ウミガメ、アメリカワニなどの重要な生息地を形成する。深い円形のブルー・ホールは「海の怪物の寝床」とも呼ばれる象徴的景観である。
見どころ
海に開いた巨大な円、ブルー・ホール
浅いサンゴ礁の海にくっきりと浮かぶ濃紺の円は、この遺産を代表する景観である。「海の怪物の寝床」という呼び名も、底知れない深さを思わせる強烈な色彩の対比から生まれた。
希少な動物を結ぶサンゴ礁とマングローブ
サンゴ礁だけでなく、海草藻場、砂州、マングローブ、沿岸潟がつながることで、アメリカマナティ、ウミガメ、アメリカワニが暮らせる。異なる環境の連続性に注目すると、生態系の豊かさが見えてくる。
地理
中央アメリカのベリーズ東岸、カリブ海沿岸に沿って延びるサンゴ礁保護区である。堡礁の外側と内側には沖合環礁、数百の砂州、ラグーン、河口、マングローブ林が連なり、外洋から浅い沿岸水域まで多様な環境がまとまっている。7つの保護区は、サンゴ礁が成長し変化してきた過程を段階的に示す。
なかでもグレート・ブルー・ホールは、濃紺の円が浅いターコイズ色の海に開く巨大な海中陥没穴である。周囲のサンゴ礁にはさまざまな形態のサンゴが発達し、海草藻場やマングローブはマナティやウミガメの採餌・繁殖を支える。海と陸の境界を含む生態系全体が登録基準(vii)(ix)(x)の価値を構成している。
歴史
1996年、優れた自然美、サンゴ礁の生態学的過程、絶滅が危惧される生物の生息地として世界遺産へ登録された。その後、沿岸開発などによる環境悪化が深刻化し、危機遺産リストに記載された。
保全のため、遺産範囲内での石油開発を禁止するなどの対策が進められた。こうした対応が評価され、危機遺産リストから脱している。登録後の危機と回復は、サンゴ礁が陸上開発や資源利用の影響を受けやすいこと、法的な保護と継続的な管理が不可欠であることを示す。
