生誕の洞穴を覆う古い教会と、信仰をつないできたベツレヘムの巡礼路

イエス生誕の地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路

Birthplace of Jesus: Church of the Nativity and the Pilgrimage Route, Bethlehem

低い入口をくぐり、古い床モザイクと灯火の先にある洞穴へ向かう。

イエス生誕の地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路のミニチュア

概要

パレスチナ自治区のベツレヘムにある、イエスが生まれたと伝えられる場所と、そこへ至る巡礼の空間をまとめた文化遺産です。中心となる聖誕教会のほか、複数のキリスト教会派に関係する教会や修道院、鐘楼、庭園、巡礼路が一体として登録されています。4世紀に築かれた教会の床モザイクを残しながら、火災後に再建された建物が長い信仰の継続を伝えます。

  • パレスチナ自治区
  • 文化遺産
  • 2012年登録
  • 検定2級

見どころ

古い列柱と初期教会の床モザイクが残るベツレヘムの聖誕教会内部

339年の教会を伝える床モザイク

6世紀の火災後に再建された聖誕教会には、最初の教会の床モザイクが生かされています。現在の建物の中で、4世紀以来の信仰と建築の重なりを確かめられます。

石造りの巡礼路と鐘楼、修道院の庭園が連なるベツレヘムの宗教建築群

教会へ続く巡礼の空間

石畳の巡礼路から教会、修道院、鐘楼、庭園へと連なる道筋そのものが登録対象です。複数の教会派が守ってきた聖地の広がりを建築と動線の両方から見られます。

地理

遺産はベツレヘムの歴史的市街にあり、イエス生誕の地とされる洞穴、その上に建つ聖誕教会、そして信者が教会へ向かう巡礼路から成ります。単独の聖堂だけではなく、ローマ・カトリック、ギリシャ正教、フランシスコ会、アルメニア教会に関係する教会や修道院、鐘楼、庭園などが連なる宗教的な空間です。

巡礼路を歩いて教会へ近づき、建物の内部から地下の洞穴へ至る順序に、この場所の意味が表れます。建築群は人類史の重要な段階を示す顕著な見本として登録基準(iv)、キリスト教の信仰と直接結びつく場所として登録基準(vi)が認められています。

イエス生誕の地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路の風景

歴史

339年、イエスが生まれたと伝えられる洞穴の上に最初の教会が建てられました。6世紀に火災で焼失しましたが、初期の床モザイクを生かして再建され、後代の教会建築の中に古い層が受け継がれました。

漏水による建物の損傷などから緊急の保護が必要と判断され、2012年に登録基準(iv)(vi)で世界遺産となりました。このとき用いられた緊急的登録推薦は、潜在的な顕著な普遍的価値が明らかな遺産が重大で具体的な危機に直面した際、通常手続を経ず審議する制度です。対象は暫定リストへの記載が必要で、未記載なら推薦要請と同時に記載します。推薦書には資産の内容と境界、登録基準からみた価値、完全性・真正性、保護管理体制、危機と緊急性を示します。緊急登録では世界遺産リストと危機遺産リストに同時記載されるため、この遺産も登録と同時に危機遺産となりました。保全が進み、2019年に危機遺産リストから外れています。登録基準(i)〜(vi)の文化価値をもつ記念物、建造物群、遺跡などは文化遺産に分類され、基準(vi)は他の基準との併用が望ましいとされます。

参考

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