概要
沿岸部と内陸部の格差を是正するため、ブラジル中央部の未開発地に建設され、1960年に完成した計画首都です。都市計画家ルシオ・コスタの飛行機形の「パイロット・プラン」に、建築家オスカー・ニーマイヤーが三権広場や大聖堂などの革新的な近代建築を配置しました。
見どころ
国家機関を幾何学で結ぶ三権広場
モニュメンタル大通りの東端で、プラナルト宮、最高裁判所、上下院の二つのドームをもつ国会議事堂が向き合います。広場と建築の対称性が、行政・司法・立法の関係を都市空間として表現しています。
いばらの冠を思わせるブラジリア大聖堂
16本の白い柱が天へ開き、半地下の礼拝空間を青と緑のステンドグラスが包みます。構造そのものを彫刻のように見せるニーマイヤーの曲線は、ブラジリアの革新的な近代建築を象徴します。
地理
ブラジル中央部の連邦直轄区に、リオ・デ・ジャネイロからの遷都を目的として新たに築かれました。中心市街地のプラノ・ピロットは、上空から飛行機、または翼を広げた鳥のように見えます。機体を東西に貫くモニュメンタル大通りの東端には三権広場があり、西へ各省庁、ブラジリア大聖堂、国立博物館、国立図書館などが連なります。
胴体部分には緑地帯、スタジアムなどの商業・文化施設をまとめ、両翼は正方形の住区に分けて住居、ホテル、学校を配置しました。歩道と車道を分離して安全性と快適性を高め、行政、文化、居住、交通を用途ごとに整理する近代都市計画を都市全体で実現しています。
歴史
ポルトガル植民地時代以来、人口と経済活動が集中する大西洋沿岸の大都市と、北東部を含む内陸地域との格差が課題でした。ジュセリーノ・クビチェック大統領は内陸開発を促す遷都を進め、1956年から新首都の建設が始まりました。フランス生まれでブラジルで活躍した都市計画家ルシオ・コスタ(1902~1998年)の案が都市骨格に採用され、ル・コルビュジエに学んだオスカー・ニーマイヤー(1907~2012年)が50歳で主要建築の設計を担いました。
1960年に完成した都市の象徴が三権広場です。広場を大統領府のプラナルト宮、最高裁判所、二つのドーム型議場と高層棟をもつ国会議事堂が囲みます。ニーマイヤーはほかにも、16本の白い柱がキリストのいばらの冠を思わせ、青と緑のステンドグラスが半地下の内部を包むブラジリア大聖堂、惑星のような半球形の国立博物館、国立図書館、アステカのピラミッドを思わせる国立劇場を設計しました。国連本部ビルの設計にも携わった彼は2012年に104歳で亡くなり、葬儀は自身が設計した大統領府で国葬級に営まれました。1987年、都市計画と近代建築の画期的な一体性が評価され、世界遺産に登録されました。
