概要
ノルウェー南西岸の港湾都市ベルゲンに残る、在外ハンザ商人の居留地。13世紀から干鱈交易で発展し、商人や職人が暮らした細長い木造家屋、倉庫、中庭が独特の都市景観をつくる。度重なる火災のたびに従来の図面と伝統に沿って再建され、中世以来の海外商館の姿を伝えることから、1979年に登録基準(iii)で世界遺産となった。
見どころ
港に並ぶ三角屋根の木造家屋
細長い切妻造りの倉庫兼住居が港に正面を向けて連なるブリッゲンの象徴。1955年の大火後も伝統的な図面と区画に沿って再建された。
路地・中庭とショートスチューエネ
狭い入口から奥へ続く板張りの路地と中庭は、火災に備えながら交易と共同生活を営んだ都市構造を伝える。1761年の会議場も商人社会の記憶を残す。
地理
ブリッゲンはスカンジナビア半島南西沿岸、ノルウェーのベルゲン港に面する歴史地区である。港に向かってカラフルな三角屋根の木造建築が並び、その背後には細い路地に沿って倉庫兼住居が奥深く連なる。建物は入口を狭くし、火災の被害を抑えるため中庭を設けた構成をもつ。
ベルゲンは13世紀にハンザ同盟の拠点が置かれ、ノルウェー最大の港湾都市へ発展した。在外ハンザ商人はドイツ国外の重要商業地に居留地と商館を設けて活動し、主要な商館はノヴゴロド、ロンドン、ブリュージュ、ベルゲンの4都市に置かれた。ブリッゲンはその一つがまとまって残る貴重な場所である。
歴史
13世紀、ベルゲンにハンザ同盟の拠点が置かれ、ブリッゲンはドイツ系の在外ハンザ商人の居留地となった。北海産の干鱈を中心とする交易が富をもたらし、やがて商人だけでなく職人も移住して港町が成長した。12世紀創建の2塔をもつ聖母マリア聖堂は、1776年までベルゲン在住ドイツ人の教会として使われた。
木造の街はたびたび火災に遭ったが、その都度、当初の図面をもとに伝統的な区画と建築形式を引き継いで再建された。1761年に建てられたハンザ同盟の会議場ショートスチューエネも火災を経験したが、粗石造りの共同金庫に収められていた書類と議事録は守られた。現在の海沿いの街並みの多くは最後の大火となった1955年の火災後の再建による。
ハンザ商人の倉庫兼住居だったハンザ博物館には、同盟時代の船や家具が展示される。交易、労働、共同生活の空間構成を今日まで伝える点が評価され、1979年に世界遺産へ登録された。
