概要
ベネズエラ南東部、ガイアナとブラジルの国境沿いに広がる約300万haの自然遺産です。公園の約65%を先カンブリア時代の岩盤からなる卓状台地テプイが占め、アウヤンテプイから落ちる落差979mのアンヘルの滝と、隔絶された頂上部の独特な生態系で知られます。
見どころ
落差979m、アンヘルの滝
アウヤンテプイの断崖から落ちる水は、地上に届く前に霧状の飛沫へほどけます。明瞭な滝壺をつくらないほどの落差と、卓状台地から空中へ放たれる白い水筋が、登録基準(vii)の自然美を象徴します。
17億年の岩盤がつくるテプイ
垂直崖に囲まれた台地上は雲と低温のため周囲から隔絶され、ヘリアンフォラやオリオフリネラなど独特の生物相を育みました。太古の地質と固有の進化が隣り合う「神の家」です。
地理
公園はベネズエラ南東部、熱帯雨林と草原に覆われたギアナ高地の中心にあり、ガイアナとブラジルとの国境に沿って約300万haに広がります。約65%を巨大なテーブルマウンテンが占め、先住民の言葉で「神の家」を意味するテプイと呼ばれます。人類未踏の場所が多く残るため「世界最後の秘境」とも表現されます。
テプイは約17億年前の先カンブリア時代の岩盤が風雨で削られ、硬い部分が台形状に残ったものです。ギアナ高地の古い岩盤は大陸形成期の大規模な地殻変動の影響をほとんど受けず、太古の地質をよく残しています。先カンブリア時代は地殻形成後から約5億4,100万年前までを指します。標高2,500mを超える垂直崖上の台地は雲に閉ざされ、気温が0度近くまで下がることもあります。
歴史
アウヤンテプイには落差979mのアンヘルの滝があります。水は地上へ届く前に細かな飛沫となるため、明瞭な滝壺をつくらないとされます。米国の探検家ジミー・エンジェルによって世界に広く知られるようになり、その名も彼に由来します。最高峰ロライマ山は、コナン・ドイルがSF小説『失われた世界』の舞台を構想するモデルになりました。
垂直崖で隔離された台地上と周辺には、食虫植物ヘリアンフォラ、地衣類、泳げないカエルの仲間オリオフリネラなど独自の動植物相が見られます。オリオフリネラはテプイ周辺だけに生息し、テプイは地質学と生物地理学の両面で重要です。1994年、自然美、地球史、生態学的過程、生物多様性を示す登録基準(vii)(viii)(ix)(x)で世界自然遺産に登録されました。
