概要
イタリア南部プーリア州の丘に、神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世が1240年ごろ築いた城塞です。八角形の中庭を八角形の壁が囲み、その角に八角形の塔を8基置く徹底した構成と、古典古代・イスラム・北ヨーロッパのゴシックが交わる意匠で知られます。
見どころ
「8」が支配する完全な幾何学
八角形の建物が八角形の中庭を囲み、八つの角には八角形の塔が立ちます。空から見ると反復する形が一目で分かり、位置、光、方位まで計算した皇帝の象徴世界が浮かび上がります。
三つの建築文化が交わる石の城
古典ローマ風の入口、ゴシックの窓、イスラム文化を思わせる幾何学と集水技術が一つの建物に重なります。フリードリヒ2世の宮廷が地中海世界の知を結んだことを、細部から読み取れます。
地理
カステル・デル・モンテはプーリア州の開けた丘上に孤立して立ち、遠方からも正八角形の量塊を見分けられます。高い位置と規則的な方位は周囲の景観、太陽光、天体の動きを建築体験へ取り込み、城の数学的・天文学的な精密さを際立たせます。
歴史
神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世は第5回十字軍を指揮し、イスラム世界を含む地中海各地の学問と文化に接しました。1240年ごろ、皇帝はプーリア州の丘上に狩猟時の住居としてカステル・デル・モンテを建設し、自ら設計にも関わったとされます。
城は八角形の中庭を八角形の外壁が囲み、八つの角すべてに八角形の塔を置きます。入口にはローマ古典様式、窓などにはゴシック様式が表れ、古典古代、イスラム東方、北ヨーロッパのシトー会ゴシックの要素が独創的に統合されています。雨水を集めて各室へ供給する仕組みも備えました。1996年、中世軍事建築の枠を超える創造性と文化交流の証拠として世界遺産に登録されました。
