概要
アララト山の北約50km、アルメニア教会初の大主教座が置かれたエチミアジンと、郊外のズヴァルトノツの建築遺産。中央ドームをもつ十字形聖堂の発展と地域への影響、301年に世界で初めてキリスト教を国教としたアルメニアの信仰を伝える。
見どころ
エチミアジンの主教座聖堂
301年のキリスト教国教化とともに置かれた大主教座の中心。5〜7世紀に中央ドームとギリシャ十字形平面をもつ姿へ改修され、アルメニア聖堂建築の展開を示す。
ズヴァルトノツの考古遺跡
草原に円形の列柱と石材が残る7世紀の聖堂跡。隣接する王宮跡とともに、失われた壮大な中央ドーム式聖堂の規模と構造を伝える。
地理
アルメニア西部のアルマヴィル地方、ノアの方舟伝説で知られるアララト山の北およそ50kmに位置する。エチミアジンの宗教都市と、その郊外にあるズヴァルトノツの考古遺跡が一つの世界遺産を構成する。
主教座聖堂と周辺の教会群は、中央にドームを戴く十字形の空間構成を特徴とする。ズヴァルトノツには7世紀の聖堂跡と王宮跡が残り、現存建築と考古遺構を比較することで、アルメニアの中央ドーム式・十字形聖堂建築の発展をたどれる。この形式が地域の建築・芸術の発展における重要な価値観の交流を示すことが登録基準(ii)、アルメニア教会という現存する文化的伝統を伝える独特な証拠であることが登録基準(iii)で評価されている。
歴史
301年、アルメニアは世界で初めてキリスト教を国教とし、エチミアジンにアルメニア教会初の大主教座が置かれた。これに伴って主教座聖堂が建設され、5〜7世紀には中央にドーム天井をもつギリシャ十字形プランの初期ビザンツ様式へ改修された。
周辺には、後世のアルメニア聖堂建築の模範となった聖フリプシメ聖堂や聖ガネヤ聖堂などが築かれた。郊外のズヴァルトノツにも7世紀に壮大な聖堂と王宮が建設され、現在は考古遺跡として当時の構成を伝える。2000年、これらはアルメニア教会建築の進化と宗教文化を示す遺産として世界遺産に登録された。
