概要
スリランカ島中央部、海抜約2,500mに広がる山地森林帯。ホートン・プレインズ国立公園、ナックルズ森林保護区、ピーク・ウィルダネス保護区からなり、世界的に稀少な山地雨林、雲霧林、草原に多数の固有種・絶滅危惧種が生息する。
見どころ
ホートン・プレインズの雲霧林と草原
海抜約2,500mの高原で、濃い霧を受ける山地雨林と草原が入り組む。スリランカ固有の脊椎動物と被子植物が集中し、進化の舞台を間近に感じられる。
高地で進化した固有動物
ニシカオムラサキラングール、ホートンプレインズホソロリス、スリランカヒョウなどが生息する。島の高地に隔離された環境が育んだ形態と生態の多様さが見どころである。
地理
セイロン島中央部の海抜約2,500mに位置し、ホートン・プレインズ国立公園、ナックルズ森林保護区、ピーク・ウィルダネス保護区の3地域で構成される。原始性の高い世界的にも稀少な山地雨林のほか、霧に包まれる雲霧林と高地草原が連続する。
これらの雲霧林と草原帯には、スリランカ固有の脊椎動物の半分以上、島の被子植物の半分が見られる。ニシカオムラサキラングール、ホートンプレインズホソロリス、スリランカヒョウなど、独自の進化を遂げた固有種や絶滅危惧種が生息する。高い生物多様性をもちながら存続が危ぶまれる地域を指す「ホットスポット」をよく観察できる場所である。
歴史
長く保たれてきた山地雨林では、隔離された高地環境に適応する生態学的・生物学的な過程が続き、ニシカオムラサキラングールのように特有の形態的進化を遂げた動物が生まれた。こうした進化の過程と生物多様性が評価され、2010年に登録基準(ix)(x)で自然遺産に登録された。(ix)は陸上・淡水・沿岸・海洋の生態系や動植物群集の進化・発展における現在進行中の生態学的・生物学的過程、(x)は絶滅危惧種の生息域を含む、生物多様性保全上最重要かつ代表的な自然生息域を評価する。(x)の評価ではIUCNレッドリスト、植物多様性センター、固有鳥類エリア、WWFのグローバル200などが参照される。
ピーク・ウィルダネス保護区のアダムス・ピークは、ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教、仏教に共通する聖山である。推薦ではこの信仰の価値も含めた複合遺産が目指されたが、世界遺産委員会が認めたのは自然遺産としての価値だけだった。
