概要
中国・雲南省にある、約5億3,000万年前のカンブリア紀初期の海洋生物化石を豊富に保存する自然遺産です。少なくとも16門196種が確認され、藻類やバクテリアから無脊椎動物、最古級の脊椎動物まで、生物の多様化を完全に近い姿で読み取れます。
見どころ
生命の輪郭を残す化石層
硬い殻だけでなく体の細部まで残る化石から、カンブリア紀初期の海で生物が急速に多様化した様子を立体的に読み取れます。
16門196種の生物世界
藻類やバクテリア、無脊椎動物、最古級の脊椎動物が同じ化石群にそろい、古代の海の生態系全体を比較できます。
地理
澄江の化石産地は中国南西部の雲南省に位置します。細粒の地層には柔らかな体の部分まで残した化石が多く、少なくとも16門196種が確認されています。藻類やバクテリア、複雑な消化器をもつ節足動物ナラオイアなどの無脊椎動物、最古の脊椎動物の一種ミロクンミンギアまで、当時の海の生態系を幅広く復元できます。
この地だけで見つかるレアンコイリア・イレケブロサも、化石群の固有性を物語ります。登録基準(viii)は地球の歴史、生命の記録、進行中の重要な地質学的過程、重要な地形・自然地理学的特徴という四つの観点を対象とし、澄江では特に生命進化の記録が顕著です。
歴史
約5億3,000万年前のカンブリア紀初期、現在の雲南省一帯に広がった海で多様な生物が暮らし、その姿が地層に封じ込められました。後世、周辺ではリン鉱石の採掘が行われましたが、化石産地を守るため2008年までにすべての採掘場が閉鎖され、その後は中国政府が保護しています。
2012年、生命進化を含む地球史の主要段階を示す登録基準(viii)によって世界遺産に登録されました。登録基準(vii)〜(x)の自然価値が認められる遺産は自然遺産に分類され、澄江は化石という生命の記録からその価値を示します。
