概要
コスタリカ本土の南西約550km、東部熱帯太平洋に浮かぶココス島と周辺海域からなる自然遺産。スペイン語ではココ島と呼ばれ、北赤道反流がもたらす豊富な雨に育まれた熱帯雨林と、シュモクザメやマンタなどが集まる豊かな海洋生態系が連続している。
見どころ
北赤道反流が育む雨の森
外洋の孤島に豊かな雨が降り、急峻な山地を原生的な熱帯雨林が覆う。苔むした火山岩、シダ、渓流、海へ落ちる滝が、多雨環境に適応した陸上生態系を形づくる。
シュモクザメとマンタの海
潮流が栄養を運ぶ周辺海域では、シュモクザメが大群をつくり、マンタや多様な魚類が泳ぐ。陸の孤島だけでなく、広い海洋生態系を含めて守る意義を実感できる。
地理
ココス島はコスタリカ南西約550kmの外洋に孤立し、急峻な火山性の山地と断崖をもつ。北赤道反流の影響で年間を通じて豊富な雨が降り、島の大半は密な熱帯雨林に覆われる。多数の渓流と滝が海岸へ流れ落ち、陸上の湿潤生態系から沿岸・外洋へつながる環境をつくる。
周辺海域では潮流と海底地形が栄養を集め、魚群、エイ類、サメ類など多様な海洋生物を支える。とりわけ群れで泳ぐシュモクザメや大型のマンタはこの海を象徴する。世界中のダイバーが憧れる場所である一方、生態系を守るため入島と利用は厳しく制限されている。
歴史
ココス島と周辺海域は、陸上の熱帯雨林と東部熱帯太平洋の海洋生態系を一体として保護する国立公園である。孤立した島と強い海流は、生物群集の進化や種の分布を観察する重要な環境を残してきた。
1997年、島と周辺海域が登録基準(ix)(x)によって世界自然遺産に登録された。2002年には保護すべき海洋生態系をより広く含めるため登録範囲が拡大された。現在も、入島やダイビングを管理しながら、外洋の生物多様性と大型回遊魚の生息環境を守ることが保全の中心となっている。
