632年をかけて中世の原図を実現した、ゴシック建築の大傑作

ケルンの大聖堂

Cologne Cathedral

天へ伸びる二本の尖塔と色ガラスの光が、632年を貫いた一つの設計思想を見せる。

ケルンの大聖堂のミニチュア

概要

1248年に着工し、約300年の中断を挟んで1880年に完成したドイツ最大級のゴシック大聖堂。高さ約157mの双塔、リブ・ヴォールト、ステンドグラスが中世の原計画を伝える。

  • ドイツ
  • 文化遺産
  • 1996年登録
  • 検定2級

見どころ

精緻な石彫と高さ約157mの双塔を備えたケルン大聖堂西正面

中世の原図を実現した高さ157mの双塔

高さ約157mの双塔が密度の高い尖塔・彫刻群とともに空へ伸びる西正面。1880年、発見された中世の原図に忠実に完成したことで、数世紀を隔てた建設を一つの姿にまとめている。

ケルン大聖堂身廊のリブ・ヴォールトと色鮮やかなステンドグラス

リブ・ヴォールトとステンドグラスの光

細い柱束からリブ・ヴォールトへ視線が上昇し、周廊の大窓からステンドグラスの光が差し込む。構造技術によって高さと光を追求したゴシックの世界観を体感できる。

地理

正式名をザンクト・ペーター・ウント・マリア大聖堂というケルン大聖堂は、ドイツ西部ライン川沿いのケルン中心部に立つ。奥行き約144m、最大幅約86m、2本の尖塔は高さ約157mに達し、キリスト教建築として最大規模のゴシック大聖堂の一つである。

飛梁(フライング・バットレス)が外壁を支えることで、内部には高い天井と大きな窓が実現した。身廊のリブ・ヴォールト、内陣と周廊、祭室群、入口の浮彫装飾、色鮮やかなステンドグラスが、ゴシック建築の「高さと光」の追求を一つの空間に統合する。大聖堂は都市の輪郭を決める存在であり、周辺の高層建築計画がその景観価値を脅かしたこともある。

ケルンの大聖堂の風景

歴史

1248年、建築家ゲルハルトがフランスのアミアン大聖堂を手本に建設を始めた。没後も工事は続いたが、資金不足により1560年、内陣だけが完成した状態で中断した。それでも初期の建設者が示したゴシックの設計思想は受け継がれた。

1814年、ダルムシュタットで西側正面のオリジナル図面が発見され、1842年に建設が再開された。中世の原計画に忠実な純粋なゴシック様式を守り、着工から632年を経た1880年に完成した。長い建設期間を通じて同じ信仰と設計理念が継承された点も、建物の価値を支える。

1996年に登録基準(i)(ii)(iv)で世界遺産となった。周辺の高層建築計画が大聖堂の眺望と都市景観を損なう懸念から、2004年に危機遺産リストへ記載されたが、計画の見直しを経て2006年に解除された。2008年には登録範囲の変更が行われ、遺産本体だけでなく広域な周辺環境を含む景観管理の重要性を示す例となっている。

参考

  • UNESCOCologne Cathedral
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

公開日: 最終更新: