概要
イングランド南西部、東デヴォン州からドーセット州へ約155km続く化石産地。三畳紀、ジュラ紀、白亜紀にわたる約1億8500万年間の地層と豊富な化石が、生命進化、古気候、海岸地形の形成を連続的に伝えるため「ジュラシック・コースト」とも呼ばれる。
見どころ
時代を重ねた断崖とダードル・ドア
赤い三畳紀層からジュラ紀の石灰岩、白亜紀のチョーク層へ続く海岸線を一望。波が石灰岩を貫いてつくったダードル・ドアの海食アーチは、現在進行中の地形形成を象徴する。
メアリー・アニングの化石海岸
ライム・リージス周辺の崖と浜は、アニングがイクチオサウルスを発見した古生物学史の舞台。頁岩の中に残るアンモナイトや海生爬虫類の化石から、ジュラ紀の海を読み解ける。
地理
イギリス海峡に面するイングランド南西部の海岸で、東端のオルコーム・ロックスからオールドハリー・ロックスまで約155kmにわたり、断崖、海浜、海食崖、アーチなどが連なる。露出した地層はおよそ2億5200万年前の三畳紀から、ジュラ紀、白亜紀へと約1億8500万年間の地球史をたどれる。
海食によって地層が絶えず露出するため、幅広い年代の化石が発見されてきた。アンモナイト、三葉虫、木、魚類、爬虫類、哺乳類の化石に加え、恐竜の足跡も見られ、地質学・地形学だけでなく古生物学と古気候学の重要な資料となっている。古生代のデヴォン紀という名称は東デヴォンに由来する。
歴史
この海岸は18世紀以来300年以上にわたって研究されてきた。19世紀初頭に活躍した古生物学者メアリー・アニングは、ジュラ紀の海に生きた魚竜イクチオサウルスの化石を発見し、初期古生物学の発展に大きな役割を果たした。
2001年、登録基準(viii)で世界遺産に登録された。(viii)は生命進化の記録、地球史、現在進行中の重要な地質学的過程、地形学的・自然地理学的特徴という観点から地球史の主要段階を評価する基準である。この海岸は、時代順に並ぶ長大な地層、生命の記録としての化石、今も進む海岸浸食、顕著な海岸地形を一体で示している。
