概要
エチオピア北西部の高原都市ゴンダールに残る城塞王宮と聖堂などの遺跡群。17世紀に皇帝ファシラダスが都を置いてから約150年間栄え、インド、アラブ、バロックなどの要素を融合したゴンダール様式と、エチオピア正教の宗教美術を今に伝える。
見どころ
約900mの城壁が囲むファジル・ゲビ
丘上の城塞内に皇帝ファシラダスと後継者たちの宮殿、聖堂などが集まる。塔と胸壁を備えた石造王宮は、かつての帝都ゴンダールを象徴する。
天井を埋める天使と聖人のフレスコ画
タブレ・ベルハン・セラシエ聖堂では、エチオピア正教の宗教美術を伝える天使と聖人のフレスコ画が見られる。聖ヨハネを象徴する天使も描かれる。
地理
ゴンダールはエチオピア北西部、標高約2,000mの高地に位置する。市街を見下ろす小高い丘には、ファジル・ゲビと呼ばれる城塞王宮群が立ち並ぶ。王宮地区は約900mにわたる城壁で囲まれ、その内外に宮殿、エチオピア正教の聖堂、修道院、公共建築や住居の遺構が残る。
石造建築にはインドやアラブの影響が見られ、のちに宣教師がもたらしたバロックの要素も加わった。これらが混ざり合った独自のゴンダール様式は、古都の景観を特徴づけている。
歴史
17世紀、在位1632~1667年の皇帝ファシラダスがアクスムからゴンダールへ遷都した。熱心なエチオピア正教の信者だった皇帝とその後継者たちはファジル・ゲビに王宮や聖堂を築き、ゴンダールは以後およそ150年間、エチオピア帝国の政治と文化の中心として栄えた。
城塞内外の石造建築には複数地域の様式が取り込まれ、ゴンダール様式へと発展した。タブレ・ベルハン・セラシエ聖堂には、エチオピアの宗教美術の様式をくむ聖人や、聖ヨハネを象徴する天使のフレスコ画が残る。1979年、王都の歴史と文化交流を示す遺跡群として世界遺産に登録された。
