概要
ジョージア西部に1106年創設された、中世ジョージア黄金時代を代表する正教会修道院。均整のとれた石造建築、壁画とモザイク、写本、学術を担ったアカデミーが、王国の政治的・文化的繁栄を伝える。
見どころ
石造聖堂群の均整
切石の外壁、円錐形の屋根、ブラインド・アーチがつくる端正な輪郭は黄金時代の建築美そのもの。複数の堂宇が丘の緑のなかで静かな修道院景観を形づくる。
金地に浮かぶ聖母子モザイク
主聖堂の後陣を飾る金地の聖母子と大天使のモザイクは、壁画と並ぶ修道院美術の白眉。信仰と王国の洗練された造形文化を間近に伝える。
地理
ジョージア西部、クタイシ近郊の緑豊かな丘に築かれた修道院群である。主聖堂である聖母聖堂を中心に、聖ゲオルギウス聖堂、聖ニコラオス聖堂、鐘楼、アカデミーなどがまとまり、祈りと教育の場を一つの空間に構成する。
建物は滑らかに切り出した大きな石材のファサード、釣り合いのとれた比例、外壁を彩るブラインド・アーチが特徴。内部には貴重な写本文化をしのばせる壁画が残り、主聖堂の後陣には金地のモザイクが輝く。中世のジョージア正教会最大級の修道院の一つとして、建築と美術の密度が高い。
歴史
1106年、ジョージア王ダヴィド4世が修道院を創設した。11〜13世紀の政治力と経済成長を背景とする黄金時代の傑作であり、修道院内のアカデミーは科学・教育・文化の重要な中心となった。
1994年にはバグラティ大聖堂とともに世界遺産へ登録された。しかし大聖堂の再建工事が真正性を損なったと判断され、2017年にバグラティ大聖堂だけが構成資産から削除され、ゲラティ修道院単独の遺産へ範囲変更された。一つの構成資産の真正性喪失が、シリアル・サイト全体の顕著な普遍的価値を脅かし得ることを示す事例でもある。
