概要
オーストラリア北東岸に全長約2,000kmにわたって延びる世界最大のサンゴ礁。約400種のサンゴが複雑な海底地形を築き、魚類、軟体動物、鳥類をはじめ、絶滅が危惧されるジュゴンや大型のアオウミガメまで多彩な生命を支える。
見どころ
ポリプの群体が築くサンゴ礁
小さな刺胞動物であるポリプが分裂して群体をつくり、枝状・卓状・塊状など多様なサンゴへ育つ。複雑な立体構造は魚類をはじめ無数の生物の生息地となる。
ジュゴンと大型アオウミガメの生息海域
サンゴ礁と海草藻場が連なる海は、絶滅が危惧されるジュゴンや大型のアオウミガメにも重要な生息地を提供する。巨大な礁の価値は景観だけでなく生命のつながりにある。
地理
オーストラリア北東部の海岸沖に連なる全長約2,000km、世界遺産区域約34万8,700km²の世界最大のサンゴ礁である。約400種のサンゴが生息し、サンゴを構成するポリプが分裂して群体へ成長し、長い時間をかけて巨大な礁を築く。ポリプは刺胞動物にみられる形態の一つである。
サンゴ礁の複雑な海底地形は多くの海洋生物に隠れ場所や餌場を与える。資料では魚類は日本語解説で約1,400種、英語解説で約1,500種とされ、さらに軟体動物約4,000種、鳥類約240種、海綿、イソギンチャク、海洋性の蠕虫、甲殻類などが確認される。固有種を含むこの生物多様性は科学的・本質的価値が高く、絶滅危惧種のジュゴンや大型のアオウミガメも暮らす。
歴史
1981年、自然美、地球史、生態系、生物多様性の四つの自然基準すべてを満たす世界自然遺産として登録された。ほぼ全生態系を対象にした広大な登録区域は、サンゴ礁と島、沿岸から深海まで連続する生態学的過程を保護する。
現在は気候変動による海水温上昇と海洋酸性化、それに伴うサンゴの白化に加え、港湾開発への対策が重要な保全課題となっている。気候変動と沿岸開発の双方を視野に入れ、広大で相互につながる海洋生態系全体を管理する必要がある。
