概要
スウェーデン南部に残る、1920年代の大西洋無線通信を象徴する長波送信局です。同時代の送信局として唯一現存するとされ、北アメリカへ祖国の情報を届けた施設・設備が稼働可能な状態で保存されています。2004年に登録基準(ii)(iv)で登録されました。
見どころ
大空を区切る6基のアンテナ塔
平原に等間隔で立つ6基の鉄塔と、それらを結ぶ長大な空中線が送信局の象徴です。施設全体を見渡すと、長波を北アメリカへ届けるために必要だった巨大な技術スケールが分かります。
今も動かせる歴史的送信設備
送信局内には、1920年代の大型機械、絶縁器、制御設備が整然と保存されています。役割を終えた後も稼働可能な状態に保たれていることが、単なる建物保存を越えた価値です。
地理
スウェーデン南部、ヴァールベリ近郊の開けた平地に位置します。送信所の建物と機械設備、一直線に並ぶ6基の高い鉄塔、塔を結ぶ空中線が一体となり、長波を遠方へ送る大規模な通信景観をつくっています。
歴史
大西洋横断無線の出発点として、1901年にグリエルモ・マルコーニがイギリスとカナダを結ぶ初の大西洋横断無線通信に成功しました。これを背景に無線通信網が発展し、1920年代にグリメトン無線局が建設されました。
ここから北アメリカへ長波が送られ、移民したスウェーデン人へ祖国の情報を伝えました。無線送信局としての役割は1990年代に終わりましたが、設備は現在も稼働できる状態で保存されています。通信技術をめぐる重要な価値観の交流を示す点が登録基準(ii)、人類史の一段階を物語る科学技術の総合体である点が登録基準(iv)に当たり、2004年に世界遺産となりました。
