概要
ハワイ島南東部のマウナ・ロア山とキラウエア山を中心に、噴火がつくる変動の大地を守る国立公園。溶岩原、溶岩トンネル、熱帯雨林から高山帯ツンドラまでが連なり、活発な火山活動と固有生態系を一体で観察できる。
見どころ
大地を更新するキラウエアの溶岩
低粘性の溶岩が火口や亀裂から流れ、新しい大地を生み続ける。火山の内部過程と地形形成を観察でき、比較的予測しやすい噴火特性から研究・観測も盛んに行われている。
サーストン・ラーヴァ・チューブ
溶岩流の表面が固まった後、内部の溶岩が流れ去って生まれた空洞。周囲には湿潤なシダの森が広がり、火山の荒々しさと生命の回復を同時に体感できる。
地理
ハワイ島南東部に広がる国立公園で、マウナ・ロア山とキラウエア山という二つの活火山を含む。標高4,170mのマウナ・ロア山は体積が世界最大級の活火山で、海中の裾野から測れば高さは約1万mに及ぶ。標高約1,250mのキラウエア山は世界で最も活動的な火山の一つである。
粘性の低い溶岩が流れ、比較的小さな爆発を繰り返すハワイ式の火山活動によって、地形は絶えずつくり替えられる。固化した溶岩の荒野、飛び地状に残る森、内部が空洞になったサーストン・ラーヴァ・チューブなど、火山地帯ならではの造形が見られる。標高差に沿って熱帯雨林、乾燥した砂漠、高山帯ツンドラが連なり、希少な鳥類、巨大なシダ、ハワイ固有の動植物を育む。
歴史
先住民はキラウエア山を火の女神ペレが住む神聖な場所とみなし、火山を自然現象だけでなく文化と信仰の中心として敬ってきた。キラウエアでは、ある30年間に50回を超える噴火が観測されたほど活発な活動が続く。流動性の高い溶岩と比較的小規模な爆発という特徴から噴火予測は比較的行いやすく、火山研究の重要な場所となっている。
マウナ・ロア山はかつて頻繁に噴火し、1984年の噴火後には小康状態となって、記録史上最長となる38年間の休止期に入った。その後、2022年11月27日から12月10日に再び噴火している。火山が刻々と変える地形と多様な生態系が地球史の主要段階を示す顕著な見本として、1987年に自然遺産の登録基準(viii)で世界遺産に登録された。
