7,000年の岩絵と3,000年以上の井戸がキャラバン交易路を語る文化地域

ヒマーの文化地域

Ḥimā Cultural Area

赤褐色の岩に重なる人と動物の刻線は、砂漠を行き交った無数の旅と暮らしを静かに伝えます。

ヒマーの文化地域のミニチュア

概要

サウジアラビア南西部の山岳地帯にあり、アラビア半島を横断した古いキャラバン交易路上の文化地域です。狩猟、動物、植物、生活を描く岩絵が7,000年にわたり刻まれ、ビール・ヒマーの井戸は3,000年以上にわたる水場の歴史を伝えます。

  • サウジアラビア
  • 文化遺産
  • 2021年登録
  • 検定2級

見どころ

狩猟する人々や動物と植物の線刻が重なるヒマーの岩絵

7,000年の暮らしを刻む岩絵

岩面に近づくと、狩猟する人、ラクダや野生動物、植物、日常の場面が浅い刻線で重なっています。長い時間の中で文化と環境が変化したことを読み取れる記録です。

古い石組みのビール・ヒマーの井戸と背後を進むラクダの隊商

隊商を支えたビール・ヒマーの井戸

石組みの深い井戸と、その脇を通る交易路に注目してください。3,000年以上にわたり水を供給した場所から、乾燥地を越えるキャラバンの移動と生活が具体的に見えてきます。

地理

サウジアラビア南西部の山岳地帯に位置し、アラビア半島の古いキャラバン交易ルートが通ります。乾燥した岩壁と露頭に多数の線刻岩絵が残り、交易路沿いの水場としてビール・ヒマーの井戸があります。登録資産とそのバッファー・ゾーンには、まだ発掘されていない考古学的資料も多く残されています。

登録基準(iii)は、現存または消滅した文化的伝統や文明の存在を伝える独特な証拠を対象とします。ヒマーでは、長期間に重ねられた岩絵、交易路、古い井戸、地下に残る考古資料が一体となって、アラビア半島を移動した人々の文化を伝えます。

ヒマーの文化地域の風景

歴史

岩絵は約7,000年にわたって描かれ、狩猟の場面、さまざまな動物や植物、人々の生活を記録しています。多くが良好な状態で残り、異なる時代の人間活動が同じ岩面に積み重なることが特徴です。

キャラバン交易路では、水の確保が長距離移動の生命線でした。ビール・ヒマーの井戸は3,000年以上の歴史をもち、旅人と隊商を支えた水場として、岩絵に表された移動と暮らしを現実の地理へ結びつけます。2021年、長期間の文化的伝統を伝える独特な証拠として、登録基準(iii)の文化遺産に登録されました。

参考

  • UNESCOḤimā Cultural Area
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

公開日: 最終更新: