ハンザ都市の旧市街とユーゲントシュティール建築が並ぶバルトの都

リガの歴史地区

Historic Centre of Riga

赤屋根と教会の尖塔を抜けた先で、石の仮面と植物曲線に彩られた近代都市が姿を現す。

リガの歴史地区のミニチュア

概要

ラトビアの首都リガに残る、中世の商業都市と近代都市の二つの顔をもつ歴史地区。ハンザ同盟で栄えた旧市街には各時代の教会・商館が重なり、新市街にはユーゲントシュティール様式の集合住宅が世界有数の密度で並ぶ。

  • ラトビア
  • 文化遺産
  • 1997年登録
  • 検定2級

見どころ

リガ市庁舎広場に面する赤レンガ造のブラックヘッド会館

市庁舎広場とブラックヘッド会館

赤レンガと白い彫刻装飾を重ねた階段状破風は、商人都市リガの象徴。市庁舎広場から聖ペテロ教会の尖塔までを結んで見ると、中世の公共空間と都市の輪郭がつかめる。

リガのアルベルタ通りに並ぶ彫刻豊かなユーゲントシュティール建築

アルベルタ通りのユーゲントシュティール

ミハイル・エイゼンシュテインの集合住宅では、巨大な仮面、植物曲線、鉄製バルコニーが外壁を覆う。中世旧市街とは対照的な、帝政ロシア期から近代へ向かうリガの創造性を示す街並み。

地理

リガはバルト海へ注ぐダウガヴァ川の河口近くに位置し、東西交易を結ぶ港湾都市として発展した。旧市街では市庁舎広場、商人の館、教会の尖塔が近接し、ロマネスク、ゴシック、バロックなど中世以来の建築様式が混在する。

城壁の外へ広がった新市街には、帝政ロシア期の都市拡張を背景として、富裕層が建てたユーゲントシュティール様式の集合住宅が連なる。これはアール・ヌーヴォーのドイツ語圏での呼称で、ミハイル・エイゼンシュテイン設計の建物をはじめ、曲線、植物文様、人物像を用いた彫刻的なファサードが特徴である。

リガの歴史地区の風景

歴史

13世紀初頭、リガはローマ教皇の命を受けた司教と十字軍によって、カトリック布教の拠点として築かれた。やがてドイツから移住した商人が都市を発展させ、13世紀後半にはハンザ同盟へ加盟した。交易の繁栄を背景に、商人の館や教会、市庁舎を核とする中世ドイツ型の商業都市が形成された。

18世紀以降の帝政ロシア期に市域が拡大し、19世紀末から20世紀初頭には富裕層の集合住宅としてユーゲントシュティール建築が集中的に建てられた。旧市街の多層的な歴史建築と、新市街の質量ともに卓越した近代建築群が評価され、1997年に登録基準(i)(ii)で世界文化遺産となった。

参考

  • UNESCOHistoric Centre of Riga
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

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