概要
中国チベット自治区のラサにある、チベット仏教の信仰と伝統的な統治を象徴する文化遺産。マルポ・リ(赤い丘)にそびえるポタラ宮を中心に、ジョカン寺とノルブリンカが、宗教・政治・芸術の歴史を一体として伝える。
見どころ
赤い丘にそびえるポタラ宮
白宮と紅宮がマルポ・リの斜面から十三層の外観を立ち上げる、ラサを代表する景観。宮殿建築と高原の地形が一体となり、宗教と統治の中心だった歴史を視覚化している。
信仰が集うジョカン寺
7世紀創建とされるチベット仏教の中心的寺院。金色の屋根と白壁の堂宇には厚い信仰が重なり、宮殿とは異なる宗教都市ラサの核心を今に伝える。
地理
チベット高原中央部のラサ盆地、標高約3,700mに位置する。ポタラ宮は市街中央のマルポ・リに築かれ、白宮と紅宮を核とする外観13層の巨大な建築群が、付属建物とともに丘の地形へ溶け込む。宮殿や僧院が点在するラサの景観そのものが聖地の性格を形づくっている。
構成資産は、冬の居城であったポタラ宮、チベット仏教の中心的寺院であるジョカン寺、庭園と宮殿からなる歴代ダライ・ラマの夏の離宮ノルブリンカ。7世紀創建の寺院、壮麗な宮殿、18世紀以降の庭園芸術が、豊かな装飾と周囲の景観のなかで調和している。
歴史
7世紀、吐蕃を統一したソンツェン・ガンポ王が赤い丘に城を築いたとされ、ジョカン寺も同時代に創建された。1642年にチベットを統一したダライ・ラマ5世は、この城跡を基礎としてポタラ宮の大造営を進めた。以後、宮殿は最高指導者ダライ・ラマの冬の居城であると同時に、伝統統治の中枢となった。18世紀には夏の離宮ノルブリンカの造営が始まった。
1951年にチベットは中国に併合され、1959年の蜂起後、ダライ・ラマ14世はインドへ亡命した。その後も政治的な緊張が続く一方、ポタラ宮は現在、博物館として保存・公開されている。1994年にポタラ宮が世界遺産へ登録され、2000年にジョカン寺、2001年にノルブリンカが加わって現在の歴史地区となった。
