概要
16世紀半ばの銀鉱山発見で発展し、18世紀には世界の銀の約25%を産出したメキシコ中央部の鉱山都市。色鮮やかな歴史地区、バレンシアナ教会堂などのバロック建築、深い立坑や地下道が、鉱業の富と都市形成の結びつきを伝える。
見どころ
鉱山の富が生んだバレンシアナ教会堂
銀鉱山の富を背景に築かれたメキシコ・バロックの傑作。華麗な石彫装飾と高い双塔が、鉱山地区バレンシアナの繁栄を象徴する。
銀鉱山と一体になった谷あいの歴史都市
谷あいの斜面を埋める色鮮やかな歴史地区と、その地下・周辺に延びる鉱山とトンネル。都市生活と採鉱の結びつきを立体的に実感できる。
地理
メキシコ中央部の山あいに築かれた鉱山都市で、急斜面に色彩豊かな家並み、バロックと新古典主義の教会・公共建築が重なる。歴史地区の地下には、鉱業と河川改修に由来するトンネル状の道路が延び、周辺には銀鉱山、立坑、運搬路などの産業遺構が残る。
鉱山遺構の中でも「地獄の口」を意味するボカ・デル・インフィエルノは深さ600mに達する。都市と鉱山、道路、橋、トンネル、周囲の地形が一体となり、銀採掘によって形成された文化的景観を示している。
歴史
16世紀初頭にスペイン人が建設したグアナフアトでは、16世紀半ばに銀鉱山が発見されて急速に発展した。18世紀には世界の銀産出量の約25%を占めるほどの中心地となり、採掘技術と都市文化はメキシコ中央部へ広い影響を与えた。鉱山都市の比較研究では、石見銀山と並ぶ金・銀・銅の鉱山開発遺産の例に挙げられている。
鉱山の富によって、バロック建築の傑作バレンシアナ教会堂や、スペイン王フェリペ2世が寄進した聖母像を祀るサンタ・マリア・デ・グアナフアト聖堂が建てられた。フェリペ2世(1527~1598年)はスペイン絶対王政の最盛期を築いた王である。1988年、歴史地区と周辺鉱山は一体の文化遺産として世界遺産に登録された。
