概要
デンマーク領グリーンランド西部にある、セルメク・クジャレク氷河と氷山で満たされたフィヨルドです。世界でも特に速く動く氷河の一つで、壮大な景観と氷河地形の形成過程を示します。250年以上の調査記録をもち、気候変動研究でも重要な自然遺産です。
見どころ
セルメク・クジャレクの氷河前縁
深い亀裂が走る氷河が1日約19mの速さで海側へ進み、前縁で巨大な氷塊を生み出します。年間約35km³という氷の流出量は、地球規模の氷の循環を目の前で感じさせます。
氷山で埋まるU字谷
氷河が削ったU字谷に海水が入り込み、大小の氷山が狭いフィヨルドを埋め尽くします。岩壁、氷、水がつくる対比は、登録基準(vii)に結びつく圧倒的な自然美です。
地理
グリーンランドは北大西洋にあるデンマーク領の島で、面積は約217万5600km²、島として世界最大です。その西部に位置するこの遺産では、約1万年前まで続いた最終氷期に形づくられたセルメク・クジャレク氷河が、海へ向かう細長い湾に流れ込みます。
フィヨルドとは、氷河の侵食で生じたU字谷へ海水が入り込んだ、細長く入り組む湾です。暗い岩壁に囲まれた水路を大小の氷山が埋め尽くし、氷河による侵食・移動・崩壊を一つの景観の中で見ることができます。
歴史
現在の氷河とフィヨルドの基礎は、約1万年前まで続いた最終氷期に形成されました。セルメク・クジャレク氷河は過去250年以上にわたって定期的に調査され、氷河の変化と気候変動を考える長期記録を提供しています。
氷河は1日に約19m進むことで知られ、年間約35km³もの氷を海へ流出させます。この流出量は南極大陸に次ぐ規模とされます。類まれな自然現象と自然美を評価する登録基準(vii)、地球史の主要段階や進行中の地質・地形形成過程を評価する登録基準(viii)が認められ、2004年に世界遺産となりました。
