中国と海外の建築文化がアモイ・デコへ結実した小島の国際共同租界

鼓浪嶼(コロンス島):歴史的共同租界

Kulangsu, a Historic International Settlement

海へ下る細い路地の両側で、中国の屋根と西洋のベランダが隣り合います。

鼓浪嶼(コロンス島):歴史的共同租界のミニチュア

概要

中国・厦門市の九竜江河口付近にある非常に小さな島で、現地の発音ではコロンスと呼ばれます。厦門の開港後、1903年から外国人の居留地である国際共同租界となり、中国とヨーロッパの文化が交わりました。20世紀初頭のモダニズムとアール・デコを島独自に融合したアモイ・デコ・スタイルが代表的です。

  • 中国
  • 文化遺産
  • 2017年登録
  • 検定2級

見どころ

幾何学装飾と中国風屋根を組み合わせた鼓浪嶼のアモイ・デコ住宅

島独自のアモイ・デコ

幾何学的なレリーフや水平線を強調した近代的な外観に、中国風の屋根や地元の石材が重なる建物を探しましょう。モダニズムとアール・デコが土地の文化と融合した核心です。

中国とヨーロッパの歴史的建築が並び海へ続く鼓浪嶼の路地

海へ続く多文化の路地

石段の路地を海へ下ると、中国住宅の塀、ヨーロッパ風のベランダ、近代建築が次々に現れます。小島の中で異なる文化が隣り合った共同租界の構造を体感できます。

地理

鼓浪嶼は厦門市の沖、九竜江が海へ注ぐ河口付近に浮かぶ小島です。海岸の船着き場から斜面へ細い街路が伸び、中国の伝統的な住居、外国人の邸宅や公共建築、近代的な集合住宅などが近い距離で重なります。港を介した人・物・思想の交流が、島の限られた空間に凝縮された歴史的都市景観です。

登録基準(ii)は建築・技術・都市計画などの発展における重要な価値観の交流を、基準(iv)は人類史の代表的段階を示す建築・技術・景観の顕著な見本を対象とします。鼓浪嶼では、東西文化の交流と、20世紀初頭の国際共同租界を伝える都市・建築群がこの二つの価値を示します。

鼓浪嶼(コロンス島):歴史的共同租界の風景

歴史

1842年、アヘン戦争に敗れた清朝は英国と不平等条約である南京条約を結びました。この条約に基づいて1843年に厦門が開港し、重要な貿易港へ成長します。その対岸にある鼓浪嶼は、1903年から外国人のための居留地、すなわち国際共同租界となりました。

各地から来た人々と中国の住民が近接して暮らす中で、ヨーロッパ系の建築と中国の伝統が混ざり合いました。特にアモイ・デコ・スタイルは、20世紀初頭のモダニズムとアール・デコ様式を鼓浪嶼で独自に融合した建築様式です。租界の歴史を一面的な西洋建築の移植としてではなく、地域側の素材・意匠・生活文化との混成として読むことが大切です。

2017年、価値観の交流を示す基準(ii)と、国際共同租界という歴史段階を伝える都市・建築群の見本として基準(iv)が認められ、文化遺産に登録されました。

参考

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