概要
ベルギーの首都ブリュッセル中心部にある歴史的広場。ゴシック様式の市庁舎を核に、1695年の砲撃後、各ギルドがわずか四年で再建した石造のギルドハウスが囲む。ヴィクトル・ユゴーが「世界一豪華な広場」と称えた都市景観である。
見どころ
非対称の市庁舎と天空へ伸びる塔
15世紀の市庁舎は、彫像を連ねた長いゴシック・ファサードと細密な高塔が主役。中央からずれた塔と左右で異なる建物幅が、均整一辺倒ではない広場の歴史を物語る。
金色に輝くギルドハウスの破風
1695年の破壊後、各ギルドが競うように再建した館には、職業を象徴する彫像や紋章、金色装飾が並ぶ。四年という短期間で生まれた多様性と統一感を、建物ごとに見比べたい。
地理
グラン・プラスは、ケルンとフランドル地方を結ぶ交通の要衝として発展したブリュッセルの中心にある。長方形の広場を、市庁舎、王の家(メゾン・デュ・ロワ)、職業別のギルドハウスが切れ目なく囲み、公共建築と商工業者の館が一つの都市空間をつくる。
市庁舎の垂直性を強調するゴシック様式と、曲線的な破風、柱、彫像、金色装飾を重ねたバロック系のギルドハウスが対照をなしながら調和する。現在は隔年でフラワーカーペットの祭りが行われ、広場一面を花の文様が覆う。
歴史
ブリュッセルは12世紀頃から、ケルンとフランドル地方を結ぶ交通の要衝として発展した。13〜14世紀には商工業者の職業別組合であるギルドが現れ、街の中心のグラン・プラス周辺に、さまざまな職人・商人のギルドハウスが立ち並んだ。
1695年、ルイ14世の命を受けたフランス軍が侵攻し、激しい砲撃によって広場周辺の多くの建物が焼失した。しかしギルドの人々はわずか四年で街を再建し、従来の木造建物を、バロック様式などを採り入れた石造の館へ置き換えた。この短期間に統一感ある景観を築いた市民社会の力が評価され、1998年に登録基準(ii)(iv)で世界文化遺産となった。
