概要
ネパール南部のタライ平原にある、ブッダ(釈迦)生誕の地とされる仏教四大聖地の一つです。マーヤーデヴィ寺院周辺の考古遺構、聖池、無憂樹、紀元前3世紀にアショーカ王が建立した石柱が、生誕の伝承と長い巡礼の歴史を物証として伝えます。
見どころ
生誕地を示すアショーカ王の石柱
紀元前250年頃に巡礼したアショーカ王が建立した石柱は、ルンビニーをブッダ生誕地と結び付ける重要な物証です。白いマーヤーデヴィ寺院の傍らに立ちます。
マーヤーデヴィ寺院と生誕の庭園
寺院の内部と周辺には生誕に関わる考古遺構が残り、聖池と無憂樹が王妃マーヤーの伝承を伝えます。巡礼地の信仰と考古学が重なる中心部です。
地理
ルンビニーはネパール南部ルパンデヒ郡、西部タライのヒマラヤ山麓に位置します。聖域の中心にはマーヤーデヴィ寺院と生誕に関わる考古遺構があり、アショーカ王の石柱、聖池、無憂樹、古い煉瓦基壇が近接します。
仏教四大聖地は、生誕の地ルンビニー、悟りを開いたブッダガヤ、最初の説法を行ったサールナート、入滅の地クシナガルです。仏教は紀元前6~5世紀頃、ガウタマ・シッダールタがブッダガヤで悟りを開いたことを起源とし、東南アジアへ伝わった上座部仏教と、中国から日本へ伝わった大乗仏教を中心に多様な宗派へ展開しました。ルンビニーはその信仰史の起点として世界各地の仏教徒を結ぶ巡礼地となっています。
歴史
シッダールタの生年には諸説があり、世界遺産検定2級教材では紀元前6世紀頃、UNESCOの登録解説では紀元前623年とされます。釈迦族の王スッドーダナと王妃マーヤーの子として生まれ、のちにブッダと尊称されました。
伝説では、出産のため故郷へ向かう王妃マーヤーがルンビニーの無憂樹に手をかけたとき、右脇からシッダールタが誕生したとされます。紀元前250年頃、巡礼したアショーカ王が生誕地を示す石柱を建立しました。後6世紀頃にはマーヤーデヴィ寺院が建てられ、周辺は巡礼の中心として整えられました。1997年、仏教史を伝える考古学的証拠と信仰との直接的な結び付きが評価され、登録基準(iii)(vi)で世界文化遺産に登録されました。
