概要
インド東部ビハール州のブッダガヤにある、ブッダが菩提樹の下で瞑想し悟りを開いたとされる聖地。アショーカ王が紀元前3世紀に最初の寺院を築き、現在の高さ約50mの総煉瓦造マハーボディ寺院は5~6世紀の後期グプタ朝様式を伝える。
見どころ
高さ約50mの総煉瓦造大精舎
反復する壁龕を刻んだ高い塔と四隅の小塔が、後期グプタ朝の建築様式を伝える。インドに残る最初期の総煉瓦造仏教寺院の一つとして、技術と造形の両面で重要である。
菩提樹、金剛宝座、欄楯
ブッダが悟りを開いた場所を示す菩提樹の下に、アショーカ王寄進とされる金剛宝座が置かれる。周囲の石造欄干には仏教説話の精緻な浮き彫りが残る。
地理
大菩提寺はインド東部、ビハール州ブッダガヤに位置する。ブッダの生涯にかかわる仏教4大聖地の一つで、4大聖地は生誕の地ルンビニー、悟りの地ブッダガヤ、初説法の地サールナート、入滅の地クシナガルである。
寺院複合体の中心には、高さ約50mの煉瓦造大精舎(マハーボディ寺院)が立ち、四隅の小塔とともに垂直性の強い姿をつくる。その西側に菩提樹と金剛宝座があり、周囲を「欄楯」と呼ばれる石造の欄干が囲む。
歴史
紀元前6~5世紀頃、ガウタマ・シッダールタはブッダガヤの菩提樹の下で瞑想し、悟りを開いてブッダとなった。ここに設けられた道場が大菩提寺の起源とされる。仏教はのちに、東南アジアへ伝わった上座部仏教と、中国から日本へ伝わった大乗仏教を中心に多様な宗派へ展開した。
紀元前3世紀、アショーカ王は悟りの場所に最初の寺院を築き、菩提樹の下へ金剛宝座を寄進したとされる。現在の高さ約50mの総煉瓦造マハーボディ寺院は5~6世紀頃に創建され、インド仏教美術が頂点を迎えた後期グプタ朝の建築様式を伝える。インドに現存する初期の総煉瓦造仏教寺院の一つである。仏教寺院は一般にブッダの遺骨を納めるストゥーパと僧院を基本要素として発達したが、ここでは悟りの場所そのものを示す寺院、菩提樹、金剛宝座が聖地の核となった。欄楯には仏教説話を主題とする精緻な浮き彫りが刻まれている。
煉瓦建築と彫刻の創造的傑作として登録基準(i)、仏教建築の広がりにおける価値観の交流として(ii)、仏教の起源と伝統の独特な証拠として(iii)、初期煉瓦造仏教寺院の顕著な見本として(iv)、ブッダの悟りと世界的な仏教信仰に直接結びつく場所として(vi)が認められ、2002年に世界遺産に登録された。
