概要
南アフリカとレソトにまたがる山岳の複合遺産。3,000m級のドラケンスベルグ山脈がつくる壮大な自然景観と固有種を守り、洞窟や岩陰にはサン人が約4,000年にわたって残した多数の岩絵が集中している。2000年登録、2013年の範囲拡大で現在の越境遺産となった。
見どころ
玄武岩の断崖と金色の砂岩
3,000m級の山々に、玄武岩の巨大な岩壁、深い谷、砂岩の城壁や自然のアーチが連なる。登録基準(vii)が認める類まれな自然美を象徴する景観。
サン人の岩絵が残る洞窟
洞窟や岩陰には約4,000年にわたる多数の壁画が集中する。描かれた人や動物の姿から、サン人の暮らしと精神世界を読み取れる。
地理
南アフリカ東部からレソトに連なる3,000m級の山岳地帯で、南アフリカのウクハランバ・ドラケンスベルグ公園とレソトのセサバテーベ国立公園からなる。そびえる玄武岩の岩壁、深く切れ込む谷、金色の砂岩の城壁、自然のアーチ、洞窟、断崖、岩柱、ロックプールが変化に富む景観をつくる。
多様な高山環境は固有植物をはじめ、絶滅が危惧されるケープハゲワシやヒゲワシを支える。セサバテーベ国立公園には、ここだけに生息するコイ科の希少魚マロティ・ミノーもいる。
登録基準(i)は人類の創造的資質を示す傑作として岩絵群を、(iii)は文化的伝統・文明を伝える独特な証拠としてサン人の精神生活を評価する。(vii)はひときわ優れた自然美、(x)は絶滅危惧種を含む生物多様性保全上重要な生息域を評価する基準であり、文化と自然の双方に価値をもつ複合遺産である。
歴史
洞窟や岩陰には、サン人が約4,000年にわたって描いた多数の壁画が残る。サハラ以南のアフリカで最大かつ最も集中した岩絵群とされ、狩猟の光景だけでなく、長くこの地に暮らした人々の精神世界を伝えている。
南アフリカ側のウクハランバ・ドラケンスベルグ公園が2000年、登録基準(i)(iii)(vii)(x)で世界遺産となった。2013年にレソトのセサバテーベ国立公園を含むよう範囲が拡大され、南アフリカとレソトの越境遺産となるとともに、現在の登録名へ改められた。
