概要
ドイツのバイロイトに残る、1745〜1750年建設のバロック様式オペラハウス。辺境伯フリードリヒの妃ヴィルヘルミーネが造らせ、劇場建築家ジュゼッペ・ガッリ・ビビエーネが設計した。500名を収容し、19世紀の巨大公共劇場を先取りした。
見どころ
木造桟敷が包むバロック空間
馬蹄形に重なる木造桟敷を正面から眺めると、金色の彫刻と絵画が奥行きを増幅する。建設当時の姿を保つ欧州唯一のバロック・オペラハウスという価値を体感できる。
500席が先取りした公共劇場
舞台から客席までを広く見渡すと、宮廷劇場として異例だった500名規模が分かる。この大空間は、19世紀に各都市へ登場する巨大公共劇場の先駆けとなった。
地理
バイロイトの都市内に建つ劇場は、観客席を木造の桟敷が馬蹄形に囲み、舞台と客席を一体の祝祭空間として構成する。金色の彫刻、強い凹凸、絵画的な装飾が重なり、バロックの空間演出を凝縮している。
バロック様式は、大航海時代などに栄えた、過剰な装飾、凹凸の強調、絵画を用いた内装を特徴とする。このオペラハウスは建設時の姿を保つ欧州唯一のバロック様式オペラハウスで、約500名という当時として異例の規模も読み取れる。
歴史
1745年から1750年にかけて、ブランデンブルク辺境伯フリードリヒの妃ヴィルヘルミーネが建設させた。設計は、イタリアの著名な劇場建築家ジュゼッペ・ガッリ・ビビエーネが担った。500名収容の大きさは宮廷劇場の枠を越え、19世紀に発展する巨大な公共劇場の先駆けとなった。現在のバイロイトはリヒャルト・ワーグナーの音楽祭でも知られるが、この遺産はワーグナーのための劇場とは異なり、18世紀の宮廷文化を建設当時の姿で伝える。
2012年に登録基準(i)(iv)で世界遺産となった。(i)は作者の知られた作品だけでなく無名の作品や産業遺産の機能美も含む、人類の創造的資質を示す傑作を評価する。(iv)は人類史の一段階を代表する建築様式・建築技術・科学技術の総合体・景観の顕著な見本を評価する。ここでは、バロック劇場芸術の完成度と、近代の巨大公共劇場へつながる建築類型が認められている。
