地中海の島々に残る世界最古級の自立式巨石神殿

マルタの巨石神殿群

Megalithic Temples of Malta

海風に磨かれた巨石の曲線が、文字のない時代の祈りを語りかける。

マルタの巨石神殿群のミニチュア

概要

マルタ島とゴゾ島に残る、紀元前4000年から前3000年に築かれた7つの巨石神殿。ゴゾ島のジュガンティーヤは世界最古の自立式石造建築の一つで、各神殿は先史社会の卓越した建築・芸術・技術と、組織的な祭祀文化を伝える。

  • マルタ
  • 文化遺産
  • 1980年登録
  • 検定2級

見どころ

ゴゾ島のジュガンティーヤ神殿の巨石壁と入口

世界最古級の自立式建築・ジュガンティーヤ

ゴゾ島に並ぶ2つの巨石神殿。世界最古の自立式石造建築の一つで、巨大な石灰岩を組み上げた曲線的な壁と祭祀空間が先史社会の技術力を物語る。

海を望む丘に立つハジャーイムとイムナイドラの巨石神殿

海辺の丘に残るハジャーイムとイムナイドラ

海を望む丘に築かれたハジャーイムとイムナイドラ。立石と横石がつくる精緻な空間は、マルタ島の神殿建築が到達した造形と技術を伝える。

地理

地中海中央部のマルタ共和国に属するマルタ島とゴゾ島に、6つの構成資産、合計7神殿が点在する。登録面積は3.155haで、ゴゾ島のジュガンティーヤには2神殿、マルタ島にはハジャーイム、イムナイドラ、タルシーン、タ・ハージュラ、スコルバが残る。楕円形の前庭から凹面の正面へ入り、中央通路の両側に半円形の部屋を配するのが典型的な平面構成である。外壁には硬いサンゴ質石灰岩、内装や彫刻には加工しやすい石灰岩が使い分けられた。

マルタ島のハジャーイム、イムナイドラ、タルシーンは、限られた資源と技術の中で生み出された卓越した建築である。タ・ハージュラとスコルバの複合神殿跡は、神殿建築の技術と伝統が島々で伝播し、発展した過程を示す。神殿の形式、構成、出土遺物から、高度に組織化された先史社会の重要な儀式の場だったと考えられている。

マルタの巨石神殿群の風景

歴史

巨石神殿群は紀元前4000年から前3000年にかけて築かれ、世界で最も早い時期の自立式石造建築群となった。ゴゾ島のジュガンティーヤにある2神殿は、巨大な天然石を積み上げた世界最古級の建築として知られる。マルタ島の各神殿では平面構成、石材加工、彫刻装飾がそれぞれ発展し、島の神殿文化の多様性を示した。

1980年、ジュガンティーヤの2神殿がまず世界遺産に登録された。1992年にはマルタ島の5つの神殿が加わって現在の「マルタの巨石神殿群」へ拡大され、2015年に範囲が変更された。発掘によって風雨にさらされた石材は劣化しやすく、現在は保護シェルターなどを用いた保存が続けられている。

参考

  • UNESCOMegalithic Temples of Malta
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

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