概要
カナダ北西部、サウス・ナハニ川沿いに広がる大規模な自然遺産。高緯度のツンドラ地帯ながら比較的穏やかな気候をもち、川が上流の緩流からヴァージニア滝、深い峡谷と急流へ劇的に表情を変える地形を保存する。
見どころ
峡谷へ落ちるヴァージニア滝
サウス・ナハニ川を代表する巨大な滝。滝を境に川は深い峡谷へ入り、岩を削るほどの急流となるため、景観美と河川地形の形成過程を一度に読み取れる。
緩流から急流へ変わるサウス・ナハニ川
上流の穏やかな蛇行と、峡谷内の白い急流が一つの水系に連続する。川が場所ごとに大きく表情を変え、世界的にも卓越した河食地形をつくることが見どころである。
地理
カナダのノースウエスト準州で、サウス・ナハニ川沿い一帯の約47万6,560haが世界遺産を構成する。高緯度のツンドラ地帯でありながら気候は比較的穏やかで、ハッカやシオンなどの植物が自生し、グリズリー、カリブー、シロイワヤギなどの野生動物が暮らす。
サウス・ナハニ川は上流ではゆったりと流れるが、ヴァージニア滝を越えると、山地を横切る深い峡谷の中で岩を削るほどの急流へ変わる。大瀑布、河食峡谷、カルスト地形、洞窟、温泉など、多様な地質・地形の過程が凝縮されている。
歴史
1976年に国立公園が設立され、1978年にはカナダの自然遺産として登録された。世界遺産条約にもとづき最初に登録された12件の一つであり、地質・地形の価値を中心に評価された。
2009年、国立公園保護区は約300万haへ大幅に拡張された。世界遺産区域自体は当初の範囲を保つが、その95%以上が拡大後の保護区に囲まれ、サウス・ナハニ川水系と地質景観を支える広い自然環境が守られている。
