概要
ナミビアの大西洋岸に広がる、世界唯一の海岸砂漠です。川・海流・風によって数千kmを運ばれた砂塵が巨大な砂海をつくり、砂の平原、海岸低地、岩山、砂海の島、干潟、一時的な川など多彩な地形が共存します。雨は極めて少ないものの、海から来る霧が貴重な水源となり、多様な固有種を支えます。
見どころ
赤い大砂丘と白いパン
風が削った巨大な砂丘の稜線と、白い塩・粘土質の平地、岩山、一時河川が同じ砂海の中で対照をつくります。自然美だけでなく、砂が移動して地形を生む過程を目で追えます。
海霧から水を得る小さな生命
雨がほとんど降らない海岸砂漠では、朝の霧が生命線です。砂丘の表面に結露する水滴を利用する小動物の姿から、霧に支えられた独特な生態系と固有種の適応を実感できます。
地理
ナミビア西部の大西洋側に位置し、巨大な赤い砂丘が海岸近くまで連なります。砂は河川に運ばれ、海流で沿岸へ移動し、さらに風で内陸へ吹き上げられるという長い移動を経て砂海を形成しました。砂丘だけでなく、砂の平原、海岸の平地、岩山、砂海に浮かぶ島状の岩地、干潟、雨の時だけ流れる一時河川が複雑に組み合わさります。
寒流の影響を受ける海から霧が入り込み、降水量の少ない砂漠へ水分を運びます。この霧を直接利用する生物を含め、多様な固有種が極端な乾燥に適応し、現在も独特の生態学的・生物学的過程を続けています。
歴史
川、海流、風という三つの作用が砂粒を数千kmにわたって移動させ、現在の大規模な海岸砂海と多様な地形をつくりました。砂丘の移動や霧に依存する生命の営みは、完成した過去の景観ではなく、今も変化が続く自然のシステムです。
優れた自然美を評価する基準(vii)、地球史と地形形成の主要段階を示す基準(viii)、生態系で進行中の生態学的・生物学的過程を示す基準(ix)、絶滅危惧種を含む生物多様性保全上重要な自然生息域を評価する基準(x)が認められています。2013年、四つすべての自然基準を満たす自然遺産として登録されました。
