概要
ボツワナ北部のカラハリ砂漠に広がる、アフリカ大陸最大の内陸デルタ地帯です。デルタ側が乾季を迎える頃、オカバンゴ川源流域は雨季となり、その水が数か月をかけて砂漠へ浸透します。この季節的な氾濫に合わせてアフリカゾウやバッファローなどが水を求めて移動し、生物と気候が結びつく大規模な生態系を形づくります。2014年、世界遺産リストの1,000件目として登録されました。
見どころ
乾季に広がる季節の洪水
デルタが乾季の頃に源流域の雨季の水が到達し、乾いた砂地へ数か月かけて浸透します。水と砂漠が交代する周期そのものが、生態系を動かす仕組みです。
水を求める野生動物の大移動
氾濫で生まれた水場へアフリカゾウやバッファローなどが集まります。気候、水、生物の動きが一つの大きな循環として見えるのが、この遺産の核心です。
地理
オカバンゴ・デルタは海へ注がず、ボツワナ北部のカラハリ砂漠の内側で水が広がる内陸デルタです。河川は多数の水路、浅い潟、湿地、島へ分かれ、周囲の乾燥地と鮮明な対比をつくります。流れ込んだ水は数か月かけて砂地へ浸透するため、同じ場所でも水域と乾燥地の範囲が季節によって変化します。
重要なのは、デルタの乾季と源流域の雨季がずれていることです。上流の降雨が遅れて届く定期的な氾濫によって、乾燥する時期のカラハリに広大な水場が生まれます。この周期は、現在進行中の生態学的・生物学的過程を評価する登録基準(ix)を具体的に示すものです。
歴史
長い時間を通じ、上流の降雨と砂漠への浸透が繰り返され、動物の移動と植物群落を支える季節性の強い湿地生態系が育まれてきました。乾季に現れる水は、アフリカゾウやバッファローなど多くの動物を広い範囲から引き寄せます。
2014年、優れた自然美を示す登録基準(vii)、生態系の進行中の過程を示す登録基準(ix)、生物多様性保全上重要な自然生息域を示す登録基準(x)で世界遺産に登録され、世界遺産リストの通算1,000件目となりました。登録基準(vii)〜(x)の自然価値が認められる遺産は自然遺産に分類され、オカバンゴ・デルタは景観、生態学的過程、生息域の三つの面から価値が評価されています。
