概要
15世紀以来のスコットランドの首都エディンバラで、中世の城塞を核とする旧市街と、18世紀以降の新古典主義による新市街が調和する都市遺産。対照的な二地区の近接が、都市史と計画思想の変化を鮮明に見せる。
見どころ
岩山を占めるエディンバラ城
切り立つキャッスル・ロック上の城塞は旧市街の起点。王権の宝物、スクーンの石、聖マーガレット礼拝堂を守り、都市の中世史を強い輪郭で刻んでいる。
新古典主義のシャーロット広場
ロバート・アダムが統一的に設計した広場は、端正なジョージアン様式と都市空間を一体化した新市街の到達点。旧市街との鮮やかな対照を生み出す。
地理
旧市街は火山岩のキャッスル・ロックに建つエディンバラ城を頂点に、尾根沿いのロイヤル・マイルと密集した中世の街路が東へ伸びる。城には王冠・剣・軍旗の断片などの宝物と、ウェストミンスター・アビーから返還された歴代王の戴冠用「スクーンの石」が展示され、城内には12世紀の聖マーガレット礼拝堂が残る。
谷を隔てた新市街は18世紀から整備された計画都市で、ジェームズ・クレイグによる格子状の街路と端正なジョージアン様式の建物が特徴。ロバート・アダム設計のシャーロット広場は都市の新古典主義を代表する傑作であり、起伏ある旧市街と整然とした新市街の対比が固有の景観を生む。
歴史
エディンバラは15世紀以来スコットランドの首都であり、中世の要塞エディンバラ城を中心に旧市街が発展した。12世紀建立の聖マーガレット礼拝堂は、城内最古級の建築としてその歩みを伝える。
18世紀以降、過密化した旧市街の北側に新市街が計画され、建築家ジェームズ・クレイグの都市案によって整備が進んだ。新古典主義のジョージアン様式とロバート・アダムの設計は、その後のヨーロッパ都市計画へ広く影響を与えた。中世と近代の都市像が調和して残る価値により、1995年に世界遺産へ登録された。
