概要
ウィーンにあるハプスブルク家の宮殿と庭園で、建築・室内装飾・庭園が調和する総合芸術作品と称される。17世紀末にフィッシャー・フォン・エアラッハが造営した夏の離宮を前身とし、18世紀に女帝マリア・テレジアが大規模に増改築した。黄色のバロック外観、ロココ様式の室内、1,400を超す部屋、グロリエッテや世界最古の動物園を含む庭園が壮大な宮廷文化を伝える。
見どころ
皇帝家の美が凝縮した百万の間
1,400を超す部屋の中でも最も豪華とされ、中米産の紫檀を用いた壁と、金箔の額に入ったペルシア細密画が濃密な装飾空間をつくる。鏡の間などと合わせてロココ内装の精華を味わえる。
庭園の軸線を締めくくるグロリエッテ
宮殿前から幾何学庭園とネプチューンの泉を越えた丘に、戦勝記念堂グロリエッテが立つ。宮殿を振り返れば、バロックの建築・庭園・眺望を一体化した総合芸術の構成がわかる。
地理
オーストリアの首都ウィーン南西部に位置し、宮殿の主棟から整形式庭園、ネプチューンの泉、丘上のグロリエッテへ大きな軸線が伸びる。外観はマリア・テレジア・イエローと呼ばれる黄色で統一され、重厚なバロック建築が庭園の緑と鮮やかな対比をつくる。
広大な庭園には、1757年のフリードリヒ2世との戦いの勝利を記念するグロリエッテ(戦勝記念堂)、世界最古の動物園、ガラス建築の植物園などが配置されている。宮殿、庭園建築、眺望、動植物施設までを一つの作品として構成した点が、シェーンブルンの見どころである。
歴史
17世紀末、神聖ローマ皇帝レオポルト1世の命を受けた建築家フィッシャー・フォン・エアラッハが、夏の離宮を造営した。18世紀にはマリア・テレジアが大規模な増改築を行って居城とし、黄色のバロック外観と優美なロココ内装を備える現在の宮殿へ発展させた。
宮殿には1,400を超す部屋がある。最も豪華とされる「百万の間」は中米産の紫檀と金箔の額に収めたペルシア細密画で飾られる。幼いモーツァルトが御前演奏した「鏡の間」、ナポレオン1世が滞在した「ナポレオン室」、南国趣味の絵画から「庭園の間」とも呼ばれる「ベルグルの間」も有名である。1814年にはナポレオン戦争後の国際秩序を協議するウィーン会議が開かれた。1996年、登録基準(i)(iv)により世界遺産となった。
