王権・議会政治・戴冠の歴史が向き合うロンドンの中枢

ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター・アビーとセント・マーガレット教会

Palace of Westminster and Westminster Abbey including Saint Margaret’s Church

テムズ河畔の尖塔群と修道院の石壁に、王と議会がせめぎ合った英国史が刻まれる。

ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター・アビーとセント・マーガレット教会のミニチュア

概要

ロンドンのウェストミンスター地区に集まる、国会議事堂のウェストミンスター宮殿、歴代国王の戴冠式場であるウェストミンスター・アビー、中世のセント・マーガレット教会からなる建造物群です。王権と議会政治、宗教儀礼を象徴し、ゴシックとゴシック・リバイバルの傑作を伝えます。

  • イギリス
  • 文化遺産
  • 1987年登録
  • 検定3級
  • 検定2級

見どころ

テムズ川から望むゴシック・リバイバルのウェストミンスター宮殿

ゴシック・リバイバルの国会議事堂

1834年の大火後、ウェストミンスター宮殿は中世ゴシックを近代国家の象徴としてよみがえらせました。テムズ河畔に延びる細密な外壁、尖塔、塔の連なりは、歴史主義建築の到達点です。

ウェストミンスター・アビーと隣接するセント・マーガレット教会

戴冠のアビーと議会の教会

ウェストミンスター・アビーは11世紀以来の戴冠式場で、隣には中世のセント・マーガレット教会が立ちます。王室の儀礼と議会に関わる信仰の空間が並ぶことで、英国国家の象徴性が凝縮されています。

地理

ロンドン中心部のテムズ川西岸、政治と宗教の中枢であるウェストミンスター地区に位置します。河畔にはウェストミンスター宮殿の長いゴシック・リバイバルの外観と塔が連なり、その西側にウェストミンスター・アビーとセント・マーガレット教会が隣接します。三つの建物が近接する都市景観そのものが、英国国家の政治・王権・信仰の結び付きを表します。

ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター・アビーとセント・マーガレット教会の風景

歴史

ウェストミンスター・アビーでは11世紀以来、歴代の英国君主が戴冠式を行ってきました。隣のセント・マーガレット教会は、垂直線を強調する中世後期のパーペンディキュラー・ゴシック様式を伝えます。古典様式を再評価する新古典主義に対し、過去の建築様式を新しい時代に用いる歴史主義が広がり、のちの宮殿再建にも反映されました。

かつて王宮だったウェストミンスター宮殿は1547年から国会議事堂として使われ、国王と議会の対立が深まってピューリタン革命へ至る政治史の舞台となりました。1834年の大火で中世の建物の大半が焼失すると、1840年から歴史主義のゴシック・リバイバルによって再建され、重要な中世遺構を取り込みながら現在の姿になりました。1987年に世界遺産に登録され、2008年に登録範囲が変更されました。

参考

  • UNESCOPalace of Westminster and Westminster Abbey including Saint Margaret’s Church
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)
  • 書籍『きほんを学ぶ世界遺産100〈第4版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

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