概要
ロンドンのウェストミンスター地区に集まる、国会議事堂のウェストミンスター宮殿、歴代国王の戴冠式場であるウェストミンスター・アビー、中世のセント・マーガレット教会からなる建造物群です。王権と議会政治、宗教儀礼を象徴し、ゴシックとゴシック・リバイバルの傑作を伝えます。
見どころ
ゴシック・リバイバルの国会議事堂
1834年の大火後、ウェストミンスター宮殿は中世ゴシックを近代国家の象徴としてよみがえらせました。テムズ河畔に延びる細密な外壁、尖塔、塔の連なりは、歴史主義建築の到達点です。
戴冠のアビーと議会の教会
ウェストミンスター・アビーは11世紀以来の戴冠式場で、隣には中世のセント・マーガレット教会が立ちます。王室の儀礼と議会に関わる信仰の空間が並ぶことで、英国国家の象徴性が凝縮されています。
地理
ロンドン中心部のテムズ川西岸、政治と宗教の中枢であるウェストミンスター地区に位置します。河畔にはウェストミンスター宮殿の長いゴシック・リバイバルの外観と塔が連なり、その西側にウェストミンスター・アビーとセント・マーガレット教会が隣接します。三つの建物が近接する都市景観そのものが、英国国家の政治・王権・信仰の結び付きを表します。
歴史
ウェストミンスター・アビーでは11世紀以来、歴代の英国君主が戴冠式を行ってきました。隣のセント・マーガレット教会は、垂直線を強調する中世後期のパーペンディキュラー・ゴシック様式を伝えます。古典様式を再評価する新古典主義に対し、過去の建築様式を新しい時代に用いる歴史主義が広がり、のちの宮殿再建にも反映されました。
かつて王宮だったウェストミンスター宮殿は1547年から国会議事堂として使われ、国王と議会の対立が深まってピューリタン革命へ至る政治史の舞台となりました。1834年の大火で中世の建物の大半が焼失すると、1840年から歴史主義のゴシック・リバイバルによって再建され、重要な中世遺構を取り込みながら現在の姿になりました。1987年に世界遺産に登録され、2008年に登録範囲が変更されました。
